Photo (c) Greenpeace / Jeremy Sutton-Hibbert

 

グリーンピースは、世界中の国々が核兵器を廃絶することこそが平和への道であると考えます。

広島、長崎への原爆投下から68年。「核の脅威」は、「原発」という言葉に姿を変えて私たちの身近にも存在してきました。東電福島第一原発事故により多くの市民がその事実に気がついてから2年半が経過しましたが、原爆による「被爆国」であり、原発事故の「被曝国」でもある日本が、NPT(核拡散防止条約)体勢を脅かしかねないインドへの原発輸出を積極的にすすめようとしている始末です。

「原爆と原発は違う」、こんな古い言葉も聞こえるようになりました。

これは、原発を推進してきた歴代政府や原子力ムラが「原発は核の平和利用である」と原発を原爆と区別し、推進するために使ってきた言葉です。しかし、東電の原発事故で私たちは身をもって「核の平和利用」が不可能であることを体験しています。

さらに、東電の福島第一原発から海洋へと漏れ続ける汚染水も、人間が放射性物質をコントロールできると考えることの愚かさを現在進行形で示し続けています。

核は、原爆であれ、原発であれ、その存在が平和的ではないのです。真に平和的なものには多くの人が共感しますが、核兵器や原発には一部の人が集る(たかる)のみです。

原爆の脅威も、原発の脅威も、その脅威の風化こそがさらなる脅威となるのでしょう。

原爆による「被爆」と原発事故による「被曝」 を経験している社会の市民だからこそ、犠牲になった方々、被害を受けた方々の立場から考え続けること、そして行動し続けることが必要だと思います。

グリーンピースは、1971年の米国核実験への抗議活動から誕生した団体です。グリーン(生物多様性が豊か)でピース(平和)な社会をめざし、これからも核廃絶、そして原発廃止を求めて活動を続けていきます。

2013年8月6日
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
事務局長 佐藤潤一