太平洋クロマグロ(本マグロ)がピンチ!シリーズ
残り4%!
「妊婦さんマグロ」も一網打尽
「養殖」表示に隠された真実
■ ルールを作ろうとしない韓国
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こんにちは。海洋生態系担当の花岡和佳男です。

寿司の主役、太平洋クロマグロ(本マグロ)が大ピンチです!ニホンウナギもそうでしたが、なんで和食の代表格が次々と危機に直面していくの?

ブログシリーズ第5回目の今回は、「輸入マグロ」の問題性に迫ります。

 

 

韓国、漁獲量削減の国際合意に非協力的

太平洋クロマグロは北太平洋を広く回遊する魚。そのため国際的な資源管理が不可欠です。

中西部太平洋にはWCPFCという国際機関があり、加盟各国政府代表が集ってマグロ類の漁業資源管理について会議をしています。しかし、漁獲量を削減する提案はなかなかコンセンサスを得ることができず、合意に至ることができません。

太平洋クロマグロの数が初期資源の約4%しか海に残されていないと報告している科学委員会ISCは、未成魚(マグロの子供や赤ちゃん)の漁獲量を削減する必要性を指摘しています。日本含め多くの加盟国はこの提案に同意していますが、韓国が、その提案の合意に難色を示しているのです。

 

日本、世界総漁獲量の約80%を漁獲・消費

韓国だけを非難するのは筋違い。このマグロの世界総漁獲量の約80%を漁獲しているのは日本です。韓国船籍による漁獲量は全体のほんの一部だけ。

それに、韓国船籍が獲った太平洋クロマグロの大部分は、このマグロの世界総漁獲量の約80%を消費する日本市場向けなのです。

 

もちろんマグロは食べ続けたい。でも、国際的な保護措置への動きを妨げる国により獲られるマグロを、私たち日本の消費者がこのままなんでも受け入れ続けていれば、資源はいつまでたっても守られず、どんどん減っていってしまいます。すぐに海からも食卓からも姿を消してしまいます。

これについてグリーンピース・ジャパンは、日本政府に対してコミュニケーションを続けると同時に、グリーンピースのソウル事務所とも連携して、韓国政府にも働きかけを行っています。

 

「お客様」「消費者」である私たちにできること

スーパーや回転寿司店などは、このような情報を消費者に提供していません。私たち消費者は、知らないうちに太平洋クロマグロ激減に加担されられているのです。そんなの嫌ですよね。

スーパーは「お客様の声」にとても敏感で、一通の「お客様の声」に10から100の需要があると考え動きます。なので皆さん、ぜひ一緒にスーパーマーケットに「絶滅危惧種や乱獲された魚を売らないでください」「持続性が担保された魚を積極的に売ってください」などの声を届けましょう。その声を国内大手スーパー15社に届けるオンライン署名「おさかな貯金」に、ご参加ください!

 

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