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こんにちは、食と農業担当の石原です。

グリーンピースは、今年の夏、10日間だけ毎日食べる食材を100%オーガニックに切り替えたらどうなるかという調査を行いました。

調査に参加してくれたのは小学生以下の子どもがいる国内の家族二組。普段はオーガニック食品は食べていません。その気になる調査結果は、近日中に公開予定です!

さて今日は、その調査を通して、10日間オーガニック食品だけの食事に必要な買い物してみた経験を紹介します。オーガニック食品が豊富でない日本で、毎日の食事をオーガニック食品にすることは簡単なのか?一体、いくらかかる?

(写真はイメージ)

有機認証商品だけを購入

オーガニック食品は気になるけど、品揃えが少なく、値段がも高い時もあり、買う機会がないという方は多いのではないでしょうか?本当は積極的に買ってみたいけど、身近に売っている場所がないと思う方もいると思います。

今回は、各家族と相談しながらグリーンピーススタッフが一緒にオーガニックの食材を取り揃えました。

今回買ったのは、日本とEUとアメリカで有機認証を取得している食品です。

食材は主に自然食品店などの専門店で購入しました。しかし家族によっては、近くにオーガニック食品を売っているお店がなかったので、その場合はすべて宅配サービスで取り揃えました。

買い物が簡単だった食品は・・・?

手に入りやすかったのは以下の食品です。

野菜、米、一部の果物、調味料(醤油、ソース、ケチャップ等)、麺類(そう麺・ラーメン等)、お菓子(チョコレート、ナッツ類)、強力粉・ドライイースト、茶・コーヒー、油類、梅干し、シリアル。

一番買いやすかったのはやっぱり野菜。一方、意外と果物は国産のものは見つけづらく、バナナやキウイなど輸入品がより多くあった印象です。

また、オーガニックのそう麺やラーメンがあったのには驚きました。また、強力粉とドライイーストも簡単に購入できたので、各家族はオーガニックのパンを作ることができました。

ネットショップで取り寄せられた食品

お店にはあまりなかったけれども、ネットショップで取り寄せることができたのは、肉、卵、牛乳、バターなどでした。

肉類については、ホルモン剤や抗生物質を使用していない商品はありましたが、有機の認証を取得しているものはお店ではなかなか見つかりませんでした。通信販売では輸入品だけでなく国産オーガニックの牛肉も購入することができました。

最後まで集められなかったものは、ハムなど加工肉

頑張って探しましたが見つからなかった食品は、ハム・ソーセージ等の加工肉でした。

各家族からは、子どものお弁当にハムやウインナーが欲しいとのリクエストをいただいていましたが、見つけることはできませんでした。野菜を使ったベジミートやオーガニックコロッケ等はあったので、お弁当の代替品になりました。

また、今回は農産物のオーガニック食品だけを対象にしたので、魚は購入しませんでした。

気になる価格は?

10日間、食事をオーガニックに切り替えたらいくらかかるのでしょうか?消費者としては気になるポイントです。

今回、調味料を含めて10日間すべての食材をオーガニックにすると、4人家族で10〜15万円ほどかかりました…

購入したレシートを調べると、特に高かったのは肉、牛乳、卵、バターなどでした。国内の有機畜産物は生産するにも基準が厳しいので、低価格でたくさん供給することは難しいのかもしれません。

一方、野菜はそこまで高価格ではありませんでした。

身近なスーパーでオーガニックを増やして

オーガニック食品を10日間購入してみての感想は、消費者にとって毎日必要な食材をまとめて購入するには、やはりスーパーは改めて便利だということです。

しかし、地方ではオーガニック食品を気軽に取り揃えることは難しいことも実感しました。

生協やネットショップで揃えられる商品も多くあり、宅配サービスは、オーガニック食品を売っているお店が少ない地域の家族にはとても助かりました。

グリーンピースが独自に実施した意識調査では、オーガニック農産物を買う人の8割はスーパーマーケットを利用していることがわかりました

今後は、より多くの人がオーガニック食品を手軽に購入できるように、都市部のスーパーはさらに取り扱いを広げて欲しいですし、都市部以外のスーパーも積極的にオーガニック食品を増やす方針を持って欲しいと思います。

また、探してみるといろんな地域に個人の自然食品店も多くあります。まずは、皆さんの足元で探してみてください。そして身近にあれば、ぜひ訪れてみてください。

できるところからオーガニック食品を始めよう

消費者にとって、全ての食材をいきなりオーガニックに変えることは難しいかもしれません。しかし、まずは手軽にできるところからオーガニック食品を始めてみてはどうでしょうか?

例えば、栄養素がたっぷりで、お弁当にも彩りを加えてくれる、ほうれん草。

実は、2015年に政府によってネオニコチノイド系農薬の残留農薬基準が大幅に緩和され、日本では幼児が40g食べるだけで急性中毒を起こす恐れがあるとされるレベルです。

ほうれん草など一部の商品からオーガニックを取り入れてみてはどうでしょうか?

オーガニック食品をもっと食べたい!と伝えよう

10日間オーガニック食品の生活をした家族からは、「新鮮で美味しい」、「料理が楽しくなった」、「食材の変化で家族の会話が増えた」など、ポジティブな感想をいただきました。

オーガニック食品は、気になるけど買う機会がないという方は、「オーガニックを増やして」とお店の人に伝えましょう。

販売側も、消費者の声がたくさん届けば、オーガニック食品を増やしてみようと考えるはずです。

生産者も、オーガニック農産物の販売先が決まれば、より安心して生産することができます。供給が増えたら流通コストも下がり、価格も下がるはずです。

私たちの声をスーパーに届けましょう。

「有機を増やして!」いますぐ署名で伝える 

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