こんにちは。ボランティア担当の宮地です。

2月11日。グリーンピース・ジャパンは今年新たに発足した学生ネットワーク『グリーンピース・ユース』を中心として、愛媛県伊方町にある四国電力伊方原発のすぐ側から、たくさんの地元の方々とともに、200個の風船を放ちました。青空を風に乗り勢いよく飛んで行った風船は、もしも伊方原発が再稼働して事故を起こした際に、放射性物質がどこまで飛んでいくかの可能性を示すものです。活動詳細はグリーンピース・ユースのブログから。

あと1か月で福島第一原発の事故から1年になりますが、いまだに原発は不安定なままで、事故の検証も済んでおらず、被災者への保障や避難も進んでいません。それにもかかわらず政府は、現在停止している日本各地の原発を、次々と強引に再稼働させようとしています。

伊方原発もその一つ。政府や愛媛県は、もし伊方原発で福島の事故と同規模の事故が起きた場合のシミュレーションを行っておらず、事故の際に被ばくする可能性のある地域住民への十分なリスクコミュニケーションもとっていません。再稼働に反対する地元の声も大きい中、愛媛県の中村時広知事は、原発の再稼動について『今の状態ならば、いずれせざるを得ないと思う』と発言しています。

もし11か月前の事故と同規模の事故が伊方原発で起きたら、四国や九州、瀬戸内海にどれほどの被害が出て、どれほどの人が長期避難しなければならないでしょうか。果たして原発はそんなリスクに値するのでしょうか。豊かな瀬戸内海に囲まれて育ち、この11か月の間に何度も福島を訪れた私の答えは「絶対NO」です。

16日には伊方原発の事故に備える避難訓練が行われますが、現実に過酷事故がおきた以上、この避難訓練は当然、同規模の事故を想定したものにすべきです。政府や県はまずシミュレーションを行い、避難訓練の際にその結果を住民に情報提供してほしい。住民の声に耳を傾けてほしい。電力会社の経済性よりも市民の安全性を優先し、いまの「原発フリーの四国」を守りとおしてほしいと思います。

風船を飛ばすにあたり、多くの地元の方々にご協力いただきました。伊方原発反対八西連絡協議会メンバーの近藤誠さんからは、「グリーンピース・ユースのような若者が集ってくるのは私たちのように長く活動しているものにはとても感動
的な事」とのお言葉をいただきました。

今回放った200個の風船には、脱原発のメッセージと共に、「伊方原発から飛ばしました。この風船を拾った人は場所を知らせてください」と書かれた紙を付けてあります。風船を拾った方はぜひご連絡ください。その結果を、避難訓練前日の15日に、グリーンピース・ジャパンのウェブ上で発表する予定です。

また私たちは、全ての原発で福島の事故と同規模の事故を想定したシミュレーションを行うよう政府に求める緊急オンライン署名「原発事故のとき、私のまちはどうなるの?」を展開しています。再稼働に反対な方、再稼働が不安な方、ぜひご参加ください。

日本でいま動いている原発はたったの3基。4月末には全ての原発が止まります。

グリーンピースは、原発が一つも動いていない「原発フリーの夏」をめざして、一基の再稼働もさせないよう、活動を続けていきます。