こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。
写真Masaya Noda/Greenpeace 9月10日、原子力規制委に向け抗議の声をあげる市民
9月10日、午前11時28分、原子力規制委員会は、九州電力の川内原発(鹿児島県)の再稼働適合審査書を決定しました。
これは、再稼働に一歩近づいてしまったことになりますが、最終的な決定にはまだいくつもプロセスが残っています。
私も、グリーンピースの招きに応じてくださった鹿児島市と薩摩川内市の住民の方お二人とともに、原子力規制委員会の会合を傍聴しました。
会合が始まったのは10時半。1万7819件集まったパブリックコメントが項目ごとにまとめられ、それに対する考え方の抜粋を規制委員会の事務担当が読み上げ(写真:会合の配布資料。パブコメと、対する考え方が書いてあります)。続いて委員のコメントがありましたが、パブコメがほとんど反映されていない修正された審査書を追認するばかりでした。
そして会合開始から1時間弱、田中委員長が「それでは、すべての委員から賛成との見解をいただきましたので、原子力規制委員会として設置変更許可を決定します」と言いました。再稼働適合審査書を了承ということです。
傍聴席からは「専門家の声も無視するのか」「審査やり直せ!」などの声が次々と上がりました。
あぶないとわかっているのに、どうして再稼働なの?
この日、午後1時からは、NGO共同*で「川内原発・審査書は不合格!~火山・避難計画・汚染水… どれも無視!?」と題しての緊急集会を参議院議員会館で行いました。
約100人の市民が集まり、メディアも複数参加。国会議員の参加もありました。
*原子力規制を監視する市民の会、福島老朽原発を考える会、FoE Japan、グリーンピース・ジャパン
写真Masaya Noda/Greenpeace (集会で発言する馬場園征子さん)
集会では、川内原発から10キロ離れていない集落にお住まいの馬場園征子さん(写真)が「命より経済、どこまでおろかな道をすすもうとしているのでしょう」と。馬場園さんのご自宅の水源は山からの湧水。そんな豊かなくらしを事故は一瞬にして奪うのにと訴えました。
写真Masaya Noda/Greenpeace (集会で発言する松永三重子さん)
鹿児島市にお住まいの松永三重子さん(写真)は「どうして川内原発がトップなの?あぶないとわかっているのに、どうして再稼働に一生けんめいなの?とよく友人から聞かれるけれど、わたしも伊藤知事、九州電力に聞きたい」と話されました。
地元では薩摩川内市長や市議会議員へ再稼働しないことを求めるハガキ運動も始まっているそうです。
専門家の警告も無視して審査書を承認
また、「川内原発の動いている間は巨大噴火の起こる可能性が少ない」「巨大噴火が起こるとしてもモニタリングで対応する」との九州電力の主張が、火山専門家によって覆されていること、避難計画は絵に描いた餅で、実効性がないこと、事故時の汚染水対策がとられていないことなどが指摘されました。
資料「川内原発・火山審査3つの誤り-火山検討チーム会合での議論から」
資料「パンフレット_川内原発避難計画の問題点140805.pdf」ダウンロード
(ともに「原子力規制を監視する市民の会」サイトより)
審査書は合格証にあらず
一部の報道は、これで再稼働の「合格証」と報道していますが、事実ではありません。
実際には、対策のための機器の設計についての「工事計画」と運転管理体制についての「保安規定」の認可を受ける、地元合意、使用前検査など、まだいくつもの重要なプロセスがあります。
そして、鹿児島では、再稼働に反対することや、同意の意思決定に加わることを自治体に求めたりする陳情や請願が、この9月議会に市民グループや個人から出されています。
再稼働をとめるために、この3つ。やってみませんか?
アクション1 「YES! 脱原発」フェイスブックグループに参加して、いっしょに再稼働をとめよう
今日も、鹿児島では、再稼働を止めたいと市民が行動を起こしています。
リアルタイムで鹿児島の動きを共有しませんか?
そして、あなたが知っている「とめよう再稼働」につながる各地の動きを投稿してください。
シェアすることで一人ひとりの行動、各地のグループの行動が、大きく広がります。
アクション2 原子力規制委員会へ、声を届けよう
地震、火山、避難計画、パブリックコメントの扱い、そして、東電福島原発事故が収束していないのに、原子力規制委員会が再稼働にばかり注力していること。こうしたおかしな点をどんどん広めていくと同時に、原子力規制委員会にも直接、声を届けませんか。
電話:原子力規制委員会 TEL03-3581-3352
FAX:原子力規制委員会広報室 FAX03-5114-2175
ネット:原子力規制委員会へのご質問・ご意見メールフォーム (1000文字まで)
手紙:〒106-8450 東京都港区六本木1丁目9番9号 原子力規制委員会 田中俊一委員長
アクション3 地元議会に「再稼働しないで」と陳情しよう
全国どこにいても、地元の都道府県議会に、「再稼働しないで」と陳情することができます
全国の自治体から川内原発再稼働の反対の意見書が集まれば大きな影響力があるはず。
陳情は誰でも出せます。出し方は、お住まいの自治体の議会事務局に聞けば、丁寧に教えてくれます。(9月議会に出す場合は、〆切にご注意ください)
採択してもらうためには、地元議員に文面について相談することをお勧めします。
わたしも地元の議会に出してみようと、こんなふうに書いてみました。
(実際に出すときには、最初に○○知事、○○市長など宛先を書きます)
再稼働を止めているのは一人ひとりの行動
当初、夏には再稼働かと言われてきた川内原発の再稼働が、いまでは、冬以降と言われているのも、一人ひとりの行動の結果です。
再稼働はまだまだ止められるし、止めなくてはいけないと思っています。
一人でも多くの方が、いっしょに行動を起こしてくださいますように!
#とめよう再稼働 オンライン署名継続中!
再稼働申請が出された原発立地県知事あてのオンライン署名です。
まだ署名されていない方は、ぜひ、ご参加ください。
署名された方は、ぜひ、まわりの方に広めてくださいますようお願いいたします。
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