こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

再生可能エネルギー促進法の審議が佳境を迎えています。
風力や太陽光や地熱などの自然のちからでエネルギーをまかなえる未来に踏み出せるかどうか、今週がヤマ場になります。

退陣2条件 攻防ヤマ場 公債特例法案 再生エネ法案(東京新聞、8日)

審議はいま、衆議院の経済産業委員会で行われており、法案の成立には、このあと衆議院本会議、参議院経済産業委員会と続き、今月末までに参議院本会議で可決されなければなりません。
昨日は他のNGOと一緒に議員の国会事務所を訪ね、しっかりした法案の成立をお願いしてきました。今日も午後から経済産業委員会での審議が予定されています。

この法案に含まれる固定価格買取は、自然エネルギー普及を進めるうえで、最も成功した仕組みとして、世界各地で導入が進んでいます。

自然エネルギーが本当に普及するような法律が今の国会で無事に成立するのを、ぜひ見届けませんか。引き続きツイッタープロジェクト実施中です。

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すでに16000ツイートをいただきました。法案成立まで、あともう一息です。
日本に再エネ法誕生の瞬間を、みんなで見届けましょう。

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【以下、国会議員宛の要請文】
2011年8月9日
国会議員各位

再生可能エネルギー促進法案
再生可能エネルギーが本当に普及するような法案の今国会成立を

再生可能エネルギー促進法(「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」)についての審議が、衆議院経済産業委員会で始まっています。

しかし、審議は当初予定から大幅に遅れ、8月の会期末までの法案成立に必要な時間的リミットが迫っているなか、水面下での修正協議が始まっています。そのうえ審議では、再生可能エネルギー普及のための賦課金に0.5円/kWhの上限を課す方針が打ち出され、普及にブレーキをかける恐れや、修正協議によりこの法案が骨抜きにされることも懸念されます。

再生可能エネルギー促進法に含まれる固定価格買取制度は、自然エネルギー普及を進めるうえでもっとも成功した仕組みとして、世界各地で導入が進んでいます。

現在の電力料金制度のもとでも、化石燃料のコストが上昇すれば燃料費調整制度によって、現在より7円/kWh程度まで上昇することも想定されます*。再生可能エネルギーの普及を加速させれば、化石燃料依存を減らし、化石燃料の価格上昇の影響を毎年減らしていくことができます。また、再生可能エネルギーが早く普及すればするほど、導入される設備のコストダウンも早く実現できます。

さらに、再生可能エネルギーは雇用創出でも大きな効果があります。ドイツでは2006年、再生可能エネルギー関連従事者は16万人でしたが、2010年には37万人に増加し、わずか6年間で20万人の雇用が生まれています。一方で、2010年の原発関連従事者は3万人程度で、再生可能エネルギーには原発よりも12倍の雇用効果がみられます。

日本には、国産の再生可能エネルギー資源が豊富に存在し、それを活用するための技術力や金融力も十分にあります。いま、必要なことは、政治的な決断です。

再生可能エネルギー普及のために、下記の点を踏まえ、再生可能エネルギー促進法の今国会での設立を求めます。

【政策のポイント――再生可能エネルギー普及拡大のために】

● 2020年までに発電量の少なくとも20%が再生可能エネルギー由来となる導入目標を掲げること
● 再生可能エネルギー普及のための賦課金に上限を設けないこと
● 買取価格と買取期間は再生可能エネルギーの電源別や規模別に採算が取れるよう設定すること
● 再生可能エネルギーの送電網への優先接続を確保すること
● 発電と送電を分離すること
● 消費者が電力会社を自由に選べるようになること
● 原子力や石炭など化石燃料への優遇をやめること

*環境エネルギー政策研究所ブリーフィングペーパー(7月25日)より

(写真:大学の屋根のソーラーパネル設置工事 (c)Tim Shaffer / Greenpeace)