みなさん、こんにちは。ジュニア・キャンペーナーの田中です。

4月26日パタゴニアにて『消えゆく豊かな海:放射能汚染・乱獲・沿岸開発~サーファーと漁業者と環境NGO、そしてあなたが手を取り合って今できること~』が開催されました。

このシンポジウムでは、サーフライダー・ファウンデーション・ジャパンの松原広美さん、水産仲卸・加工品製造元であるスズ市水産から大野登さん、グリーンピース海洋生態問題担当の花岡和佳男が登壇し、第一部では、それぞれの立場から海で起きている問題を提起し、私たちにできることについて第二部でディスカッションが行われました。

サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン松原広美さん

東日本大震災によって被災地では、下水処理場の破損による水質汚染、福島第一原発事故による放射能汚染が問題になりました。サーフライダー・ファウンデーション・ジャパンでは、震災以降、海水の放射能調査プロジェクトを立ち上げ、数値を公表してきました。また、震災から2年がたち被災地では新たに防波堤建設に関する問題が持ち上がっています。縦割り行政による一方的な復興支援計画では被災地の復興はなしえません。沿岸の開発は、どのように、どの程度まで行われるべきなのか地域の方々との対話を重ねて進められる必要があります。

グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当:花岡和佳男

グリーンピースでは、福島第一原発事故後、消費者が家庭の食卓で食べる魚の70%を購入するスーパーマーケットへ「汚染された魚を売らない対策」を消費者の方々と共に働きかけてきました。その結果、イオンは放射能ゼロ宣言を発表。西友も、スーパーマーケットランキングの発表後、取り組みが改善されました。スーパーマーケットは消費者の声で変わります。現在、過剰漁業によって魚の数が激減、世界の海で「獲っても大丈夫」なレベルの資源は13%しか残されていないとさています。安全なものに加え、持続可能な漁業で獲られた魚介類を取り扱うよう、ぜひご一緒にスーパーマーケットに声を届けましょう。

スーパーマーケットに声を届ける署名はこちら

スズ市水産大野登さん

スズ市水産はISO9001を取得しており、社会的責任を鑑みて漁獲された魚の放射性物質を検査してから販売しています。放射能は視覚や味覚で判断することができません。検査を続け、数値を公表し続けていくことでしか、消費者に水産品への安心感を持ってもらうこと、漁業者や加工・流通業者の職を守ることはできないと思っています。放射能汚染は短期間で解決する問題ではないので、産地や汚染の記録といったデータを次の世代のために残していきたいです。男性の場合、自分に放射能は関係ないという方も多いですが、自分が被ばくしてしまえば次世代の疾患になる可能性もあることを知ってほしいです。

第二部では、第一部で提起された海で起きている問題について「私たちにできること」についての意見交換が行われ、率先して行うべき下記10項目がオーシャン・ディフェンダー宣言として採択されました。

1. 海を楽しむ
2. 海の素晴らしさ、大切さを次世代に伝える
3. 販売元に魚介類の商品情報を求め、安全で持続可能なものを積極的に選ぶ
4. 署名や「お客様の声」などを通して、販売元に安全で持続可能な魚介類の需要を届ける
5. プラスチック依存の生活から抜け出す
6. カーボンフットプリントに配慮し、エネルギー消費を減らす
7. 原発に依存しない持続可能なエネルギー環境の実現を目指す
8. 海洋環境保護活動に参加する
9. 海洋環境破壊問題や保護活動などについて情報を集め、拡散する
10. 海洋環境保護に取り組む組織・活動を支援する

オーシャン・ディフェンダーに特別な資格はいりません。

みなさんもぜひ豊かな海を次世代に残すため、オーシャン・ディフェンダーとしてできることから行動してください。