こんにちは。海洋生態系担当の花岡和佳男です。

先週、グリーンピースの韓国オフィスの同僚が魚の骨をモチーフにしたオブジェを抱え、ソウルにある同国最大の水産企業・東遠(ドンウォン)社を訪れました。

その理由とは?

前回のブログでは、ニュージーランドの大手ツナ缶メーカーが、グリーンピースの活動を受け、乱獲の原因となっているFAD(人工集魚装置)を使用したマグロの扱いを中止したことを紹介しました。

グリーンピースは同様のキャンペーンを韓国でも展開しています。ツナ缶メーカーがマグロ漁業の持続可能性についてどのように考え取り組んでいるかをランキングの形で発表し、各社に取り組みの強化を求めるとともに、消費者の皆さんに普段食べている魚の持続可能性がどのようなものなのかを知ってもらおうというものです。

混獲率の高いFADを用いたまき網漁は、サメやエイ、ウミガメなどマグロ以外の多くの海洋生物が犠牲になり、またマグロの稚魚もまとめて漁獲してしまうので、海洋資源全体へのインパクトは大きいものです。

FADを用いたまき網漁を廃止し、混穫を伴わない持続可能な漁法を推進するためにグリーンピースが行っているのが、このFADフリーを求めたキャンペーンです。
 
グリーンピースの韓国オフィスは、同国最大手東遠(ドンウォン)社をはじめとする大手水産企業に、ツナ缶の原料となるマグロ類の調達方針に関する調査を行い、先日その結果をランキングの形で発表

グリーンピースはこのランキングで最下位になった東遠(ドンウォン)社に対し、漁業の持続可能性を確保する取り組みを求め、「最悪のツナ缶会社賞」送りました。

冒頭で紹介した魚の骨をモチーフにしたオブジェは、その不名誉な賞のトロフィーです。

 

グリーンピースのこの活動、韓国では始まったばかりですが、世界的には各地で大きな成果を挙げています。

イギリスでは全ての大手ツナ缶メーカーと大手小売業者が、アメリカでは大手スーパーマーケット・チェーンであるセーフウェイ(Safeway)が、FADを使用したまき網で獲られたマグロの取り扱いを中止するという決定を公表しています。またニュージーランドでも先日ブログでご報告したとおり、同国水産最大手シーロード社が同様の決定をしたばかり。これら一連の動きは、世界各地で拡大する持続可能な魚介類の需要を受けてのものです。

マグロの世界最大の消費国である日本でも、持続可能な魚介類の需要を高めましょう。日本の食卓に並ぶ魚の約70%を販売するスーパーマーケットに「乱獲された魚を売らないでほしい」「持続可能性が確保された魚を売って欲しい」などと言ったたくさんの「消費者の声」を届けましょう。海や食卓に豊富な魚を残したい皆さん、ぜひオンライン署名「一週間、魚なしで過ごせる?」に参加してください。

署名はこちらから。