どこまで広がる遺伝子組み換えナタネ？

みなさん、こんにちは。
最近いろいろな環境問題等に興味を持ち始め、グリーンピースでボランティアを始めました前田です。

2月13日に参議院会館で行われた、「生物多様性が危ない！　忍び寄る遺伝子組み換え汚染」の院内学習会（主催：食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク）に同行させて頂きましたので、報告いたします。

■ 初めて参加した政府参加の意見交換
今回は遺伝子組み換え（以下ＧＭ）ナタネについて、農林水産省と環境省の関係担当官が参加し市民との意見交換が行われました。

私はいままで、GM食品やそれにまつわる食について、自分なりに調べていたのですが、GMナタネについての知識は、店で見る食用油の、原産国が書いていないものは、おそらくＧＭだろうなとか、加工品にもある程度は入っているだろなとの認識くらいしかありませんでした。

中学生の時に来た以来の国会議事堂を目の前にして参議院会館はありました。厳重な警備の中、初めての金属探知機を通り入館。中はどこかのホテルかのような綺麗さです。セブンイレブンやタリーズコーヒー、食堂もありました。

綺麗な会議室に、主催の「全農市民ネット」の方と報道関係者、そして一般の方と、環境省、農水省の方達が揃い、院内集会がスタート！

知識不足で追いつかなかった部分が多いのですが、解った範囲内で驚いた事や知った事をみなさんにお伝えしたいと思います。

■ どこまで広がるGMナタネ？
今回の議題は、GMナタネ。問題になっているというのが、海外からGMナタネを国内の搾油工場に運ぶ際に、その種がこぼれ落ち、道路周辺に自生しているというのだ。その花が種を飛ばし、日本の非GMナタネと交配して、知らず知らずのうちに、日本にGMナタネが増えていってしまうという事です。

しかもナタネはアブラナ科であり、同じ科同士での交配も可。キャベツやブロッコリーなんかとも、交配して、生態系を脅かしているという報告に驚きました。

なんて恐ろしい…。

しかし、こぼれ落ちるって…？　そんな簡単にこぼれ落ちるものなのかと疑問に思いました。トラックにそのまんま適当に詰め込んでいるの？　それだったらこぼれ落ちそうだけど、そんな事を考えていると、政府の担当者の回答で、

きちんと企業側に指示は出しているとの事。

なので、こぼれ落ちても、国側では関係無いと、いったニュアンスでした。

そして、こぼれ落ちたとしても、道路周辺以外には、広がらないので、大丈夫だと言っていた。

しかしこれに関しては、主催の方から反論があり、こぼれ落ちたGMナタネの自生を広めない為に、ボランティアで抜いているから、広がっていないのだ！と。

それに対し、担当官はしどろもどろでした。

ボランティアの方たちがGMナタネを駆除していなかったら、もっと広まっていたのかもしれない…。でも完全には駆除できているという事も無いだろうから、きっともう徐々に知らない内に、GMナタネは広がっているのかもしれない。
実際に、三重県ではナタネの種の自家採取を辞めて、汚染されていない所から種を買うようにし始めたという報告もありました。

■ 日本国内でＧＭ作物の栽培は？
日本政府は、GM作物を国内で作付けすることには、すでに認可をしています。それでも現時点では農家の自己判断で日本にはまだGM作物は作られていないといいます。

なのに、GM作物を海外から輸入して加工品にして売っている為、今回の議題のような事がおこったりしています。その加工品にはGM表示義務が無いものが多い為、私たちは知らず知らずのうちにGM加工品を大量に消費してしまっています。

政府は今、日本でGM作物を作る際のガイドライン作成のため、動き出しているそうです。これは、GM作物がこれから日本で作られる事が増えるだろうと見通してとの事です。

GM作物を作りたくないのに、隣の畑がGM作物を作っていて、それが自分の畑に伝染したら、損害賠償などや、保証は国がしてくれるのか？　という質問がありました。

それに対しての政府の回答は、「それは当事者同士で解決して下さい」
との事でした…。

現時点では、日本国内で栽培・販売許可をしているGM作物、食品は、研究の上、安全で問題が無いそうです。

地球上にGM作物が出てきて、まだ日が浅いはずなのに、何をもって「安全」と確信を持って宣言できるのかが不思議です。（それは原子力にも常日頃思っているんですが）

「何かよくわからないもの」っていうのは本当に不安です。

もしこれから問題が出てきて、GM作物が全面禁止になった時、日本の作物が全部GM作物に汚染されていたら、どうするつもりなのでしょうか。その時に気づいても遅すぎるのに…。

今回初めて実際に、日本政府の意見などを直接聞いて、本やネットでの情報以上のリアルさを感じました。２次元でしか情報を得ていなかったのが、途端に３次元の情報になった感じがします。もっとリアルに感じる為にも、今後はちゃんと自分で下調べをしてから参加したいと思います。遺伝子組み換え問題には、背後にいろいろな黒い影が絡んでそうだし。知らない方が良かったのかな？　でも知ったからには、私に出来る事をこれからやっていこうと思います。

前田　樹里