広報の関本です。2月22日、沖縄県辺野古の新基地建設に反対する「止めよう辺野古基地建設! 県民集会」を取材・参加するため、グリーンピースのスタッフ4名とビデオグラファーさんとで名護市辺野古を訪れました。


県民集会の様子。ゲート奥はキャンプシュワブ(2015年2月22日撮影)

 

「沖縄が”コンクリートブロックの下敷き”に」

 

辺野古の大浦湾では、基地建設を進めようとする沖縄防衛局が海底に設置した巨大なコンクリートブロックによってサンゴが傷つけられています。沖縄県も26日から潜水調査を開始し、岩礁破砕許可区域の外でのサンゴの破損が市民や報道による調査で見つかったこともふまえ、「(許可取り消しの)可能性は大きい」と発言しています。

 

グリーンピースは沖縄・辺野古の声を広く全国に届けるため、長いあいだ新基地建設に反対し続けている市民の方々、そしてカヌーに乗って海で抗議を続ける若者たちにインタビューをしました。取材に答えていただいた方からは、「日米政府が巨大なコンクリートブロックで、下敷きになったサンゴが沖縄県民の気持ちを表している」という怒りが伝わってきました。それと同時に、「新基地建設を絶対に止める。あきらめない」という静かで強い意思も感じました。その中から、3人の方の言葉を紹介します。

 

動画はこちらから>> 

 

安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会 共同代表)

「辺野古への新基地建設について、沖縄県知事選、衆議院選挙、名護市長選でも、沖縄の民意は反対を表している。しかしそのことをいっさいかえりみずに、海底のボーリング調査が強行されている。その際、コンクリートブロックが投入され、サンゴ礁を壊している。そんな環境問題もありながら、沖縄県知事の申し入れも無視して強行突破するというところに怒りがあった。県民全体の声を集約しようという集会です。

いま、私たち沖縄の闘いが全県全国、国際的にも広まってきている。グリーンピースも署名をやっている。アメリカにとって沖縄はちっぽけな島に見えるかもしれない。しかし、そんな私たちがアメリカ政府を突き動かすような闘いをしている。これからも国際的な支援と呼びかけを求めていきたいと思っています」

テント村を訪れる人々に説明をする安次富さん(2014年12月撮影)

 

鈴木雅子さん(北限のジュゴンチーム・ザン / 北限のジュゴンを見守る会 代表)

「ジュゴンも沖縄県民も、巨大なコンクリートブロックの下敷きにされようとしている。現状は厳しいけれど、全ての命は、どんな小さな生き物でも生きるためにエネルギーを注いでいる。同じように、人間も負けない、あきらめない、それが私たちの強みです。

海底に投下されたコンクリートブロックがサンゴを破損していないか、県が検証を開始しています。『北限のジュゴンチーム・ザン』も、科学的な調査で基地建設を止めていきたいと活動を続けています」

グリーンピースの取材に答える鈴木さん(2015年2月22日撮影)

 

じゅーりーさん(カヌーチーム「辺野古ぶるー」)

「私は戦争が大嫌い。環境を守るためにここに(県民集会に)来ています。いつもは、カヌーに乗って最前線で海を守っています。現場に来て、自然と平和を守ることが大事です。いま、ここに基地ができるのを止めたい。みなさん、助けてください」

 

「沖縄だけでなく、全国のニュースに広げたい」

 辺野古の新基地建設問題は、沖縄タイムスや琉球新報などの地元紙では連日大きく報道されていますが、全国紙ではほとんど紹介されていません。紹介されても1日遅れになったり、写真がなかったり。ちなみに、2月23日の全国紙朝刊の一面を飾ったのは東京マラソンなどのニュースでした。テレビ番組でも報道されてきていますが、まだまだ足りません。

辺野古の埋め立ては、日米政府による環境破壊です。 グリーンピースでは、辺野古の問題を広く知らせるため、上記の方々のインタビューをまとめた動画を制作しました。ぜひ、みなさんもこの動画を見てください。そして思ったことを家族やお友達に話したり、ソーシャルメディアなどで拡散していただけませんか?

 

「沖縄・辺野古のジュゴンを守ってください!」国際署名に参加を!

美しい辺野古の海の埋め立てに反対するための意思表示、こんな方法もあります。辺野古の海域に棲むジュゴンは、世界でももっとも北に生息する「北限のジュゴン」です。そして、IUCN(国際自然保護連合)の「絶滅危惧種」に指定される希少な生き物です。すでに世界中で3万人を超える人が賛同しています。

あなたも辺野古の美しい海を守るために数十秒のご協力をお願いします。

 

*取材にご協力いただいた皆様、そして海上での下見や映像提供でもご協力いただいた「ヘリ基地反対協議会ダイビングチームレインボー」の皆様にもお礼を申し上げます。