こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。

先週末 4月11日(土)、世田谷こどもいのちのネットワーク(通称:こいのち)とのコラボイベント「おさかなクンだいじょうぶ?」にゲストスピーカーとして食と農業担当の関根と一緒に参加してきました。(農産物編はこちら

ご参加下さったみなさま、この場をお借りしまして、改めてありがとうございました。

 

オーシャンチームは、過去の放射能汚染についての活動紹介と過剰漁業の問題についてお話しをしました。

私も話していて改めて思ったのですが、放射能汚染って目に見えないんですよね。何年も何十年も経ってからでないと、人体への影響がわからない。事故から4年の歳月が経ち、測定される数値も当時と比べると低くなったとは言え、消えてなくなるわけではない。

今回の参加者の中からも心配の声が多くあがっていましたが、特に小さい子どもがいる家庭では、いくら政府が定めた基準値があるとは言え、「ゼロ」でなければ心配だということ。

調査はされていても、実際自分が口にする魚がどうなのかは分からないんですよね。海を泳ぎまわる天然資源である魚。生まれた全ての魚に一匹残らずタグをつけて、どこを泳いで何を食べて、食卓にたどり着くのかを調べるのは不可能ですから。

でもそれと同時に、放射能汚染で生きてゆく術である「漁業」そのものが脅かされている、現地の漁業者さん達のことを考えると身につまされる思いです。

消費者目線で考えれば、やはり消費者が魚を買う場所であるスーパーマーケットなどが独自に調査をし、消費者にきちんと公開してくれないと、ですよね。

グリーンピースは、2011年〜2013年までに3回実施した「お魚スーパーマーケット・ランキング」を通じて、スーパーマーケット各社に厳しく追及してきました。いま改めて進捗を見てみると、イオンやイトーヨーカドーなど改善が見られた企業もあれば、あやふやなまま終わってしまっているスーパーさんもいます。

今年2月に発表した最新のスーパーマーケット・ランキングでは「放射能汚染」についての項目はありませんでしたが、「情報公開」の項目は各社ともに残念な結果でした。放射能汚染に限らず、「お客様への情報開示」は消費者と企業を繋ぐ「信用」です。スーパーさん、私たち消費者は見ていますよ。

 

今回、参加者の皆さまにお伝えしたことは2つ。

  1. 私たち消費者がスーパーなどの売り手に「ちゃんと調査してよ」、「情報公開してよ」と伝えることがとっても大事。
  2. マグロやウナギの絶滅危惧種の仲間入りにも見られますが、私たちが資源が減っている魚介類を変わらず食べ続けていること、もしくはそうできるような現状がなんでなのかを自分で考えてみてほしい。

ということです。事実を知って、自分で考えて、自分の意思で選択することが求められている気がします。


ふと思ったんですが、放射能汚染も過剰漁業もそうですが、一番迷惑をしているのは魚ちゃんたちですよね。人間ってなんとも身勝手な生き物だなぁと思う今日この頃です。