こんにちは、エネルギー担当の柏木です。

5月21日からスタートした「わかりやすい電気の“原材料”表示を求める署名」、開始から一週間もたたないうちに、4900筆の参加を頂いています。ありがとうございます!

まだの方はこちらからぜひ署名を!

電気の「表示問題」は、もともと電力自由化に向けて、議論すべきテーマでした。いま、多くの市民団体や消費者グループが情報公開が必要だと声をあげています。先日、経済産業省の担当の方から、いまや電気の「表示問題」は“重要テーマ”の一つと捉えているとお聞きしました。みんなの声が届き始めています。

署名という形でわたしたちの声を伝えれば、その重要性はより大きくなります。すでに署名くださった方は、ぜひ署名のシェアをお願いいたします。


電力会社は原材料表示、どう考えてる?

さて、肝心の電力会社は、電気の原材料について、どのように考えているのでしょうか?今日は、東京電力や関西電力など、地域独占している10の電力会社を対象にグリーンピースが実施したアンケートの結果をお知らせします。

このアンケートは、わかりやすい電気の原材料表示をもとめる要請書とともに、2015年2月に書面にて送付、実施したものです。電気の原材料(発電源構成)、二酸化炭素排出量、放射性廃棄物量の表示が義務化されているドイツの請求書の例と、「みどりまめ電力」の請求書も参考に、お送りしました。

北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、沖縄電力の5社からは書面にて、そして中部電力、九州電力の2社からは、口頭で回答を頂きました。アンケートに協力いただいた7社には、対応に感謝します。 一方、関西電力、中国電力、四国電力の3社からは、残念ながら回答がありませんでした。

アンケートは全部で4問。書面で回答のあった社の回答は、方向性が同じものでした。数社ピックアップして、回答をご紹介します。
(書面での質問・回答の全文をこちらからご覧いただけます)

なお、下記では設問を分かりやすく言い直しています。


1. 発電源構成、二酸化炭素排出出量ならびに放射性廃棄物について、貴社の情報開示について、現在の状況をお知らせください。

全社、ホームページ上や、CSR報告書、株主向けのアニュアルレポートにて開示しています。



2. 発電源構成、発電に伴う二酸化炭素排出量と放射性廃棄物について、現在の貴社の情報開示は適切だとお考えですか?

「適切」「改善が必要」の選択肢を提示しましたが、どちらかの回答を選択した社はありませんでした。理由記述欄への回答を、2社ピックアップしてご紹介します。

  • 東京電力
    「お客さまのニーズの変化に合わせた情報開示がなされるべきとの前提から、自社は常に、お客さまのご要望に添えるように最適な情報開示のあり方を検討し続けております(後略)」

「お客さまのご要望」を前面に出していますね。多くの消費者が求めれば、情報開示・表示が実現しそうです。

  • 北陸電力
    「現状、『電気ご使用量のお知らせ(検針票)』は、限られたスペースの中で、今回検針した指示数やご使用量、ご請求する電気料金(概算額)、電気料金の計算方法等をお知らせしております。発電源構成、二酸化炭素排出量、放射性廃棄物等は、別の媒体で情報開示を行っているところです」

北陸電力の検針票は、縦型。(ここからご覧になれます)
確かにスペースは限られていますが、それが「電気の原材料」を表示しない理由にはならないはず。ドイツのように、クリエイティブさを発揮して、分かりやすい請求書を作って欲しいです。



3. 発電源構成、二酸化炭素排出量ならびに放射性廃棄物を、請求書に表示する予定はありますか?

「はい」「いいえ」の選択肢を提示しましたが、どちらかの回答を選択した社はありませんでした。理由記述欄への回答を、2社ご紹介します。

  • 北海道電力
    「現時点では未定。今後お客さまのニーズ等を踏まえ検討してまいります」
  • 東北電力
    「自社では、ホームページ等により情報開示しておりますが、ステークホルダーの皆さまからのご意見を踏まえ、引き続き適切な情報開示に努めてまいります」

両社とも、「お客さまのニーズ」や「ステークホルダーの皆さまのご意見」を踏まえるとしています。もちろん、わたしたち消費者も大切なお客さまやステークホルダーです。


 

4. 望ましい情報開示、表示について貴社のお考えをお聞かせください。 

最後は、東京電力の回答をご紹介します。

  • 東京電力
    「お客さまに正しい情報が伝わるように、公平かつ公正なルールに基づいた情報開示や表示がなされるべきと考えております。その中で、自社は様々なお客さまの意見を取り入れ、お客さまに選択して頂けるような情報開示に努めてまいります」

「公平かつ公正なルールに基づいた情報開示や表示」は、わたしたちにとっても必要不可欠。そして、「お客さまに選択して頂けるような情報開示」に努めていくとのこと、その言葉、しかと聞きました。 


 

以上、アンケートの回答が示すように、「お客さまの声」つまり、わたしたち消費者の声を、電力会社は重要視しているようです。

来年4月からの電力自由化に向けて、政府や電力会社が制度の準備をしている今こそ、わたしたちの要望を、伝えるときです。

ここで、何も言わなければ、電力会社は何も変えないかもしれません。

みんなで一緒に、原発のない明日をつくりませんか?
わたしたち消費者は、「変化」をつくる力を持っています。
「わかりやすい電気の”原材料”表示を求める署名」、ぜひご参加ください。(下記の画像をクリック)

すでに署名してくださった方は、お友達にシェアをお願いいたします。

 

【関連ブログ】

原発の電気、あなたは選ぶ・・? 〜もしも「電気の“原材料”」が知れたなら〜

福袋だけじゃない。電気だって、その「なかみ」が知りたい!〜東電エリアの500人に電気料金請求書について意識調査を実施 

どの会社にする? お家の電力会社、乗り換えOKに 2016年スタート決定!

 

【参考ウェブサイト】

コンシューマネットジャパン 「教えて電力システム改革 シリーズ」で表示の問題を取り上げていらっしゃいます。

【みどりまめ電力の請求書】