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こんばんは。海洋生態系担当の小松原です。

7月13日に、産卵期の太平洋クロマグロを守るキャンペーンを開始しました。

その名も「マグロがいる海がいい」です!

太平洋クロマグロの産卵場所があるのは日本の海だけ。

乱獲によって、今やもう残り 2.6% (*) しかいなくなってしまったマグロたち。産卵に帰ってきたマグロたちを守って、マグロがたくさん泳ぐ海に戻そうという願いを込めました。

* 大規模な漁業が始まる前の個体数と比較して

さて、クロマグロと言えば、スーパーやデパートでお刺身や切り身で売っていますよね。そして、お寿司といえば、身近なのが回転寿司。 

そこで、スーパー・生協・デパート・回転寿司のトップ企業に産卵期の太平洋クロマグロの取り扱いについてアンケート調査を行いました。

実施企業と回答状況

今回のアンケート調査は、9つの主要な質問に、「はい・いいえ」の二択で回答する形式。企業の考えを明確にするべく、「はい・いいえ」以外の回答や選択をしていない場合には、「無回答」としました。自分の立場や意見を聞いているんだもの、「わからない」とかありえないですよね。

このブログで、アンケート結果のハイライトと、このキャンペーンでどうやって崖っぷちのマグロたちを守るのかをご紹介します。ちなみに、各社の回答は、レポートの最後に一覧になっているので、興味のある方はご覧くださいね。

ハイライト1:産卵期の太平洋クロマグロを売っているのは、スーパーとデパート!

販売していると回答したのは、イオン、イトーヨカドー、西友、ユニー、そごう・西武、三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋の8社。

阪急阪神百貨店と平禄寿司は無回答でした。

でもですね、世間は覚えていますよ。

阪神百貨店は、産卵期の太平洋クロマグロ漁で有名な鳥取県境港でマグロ漁が始まった初日に水揚げされたクロマグロを梅田店で試食販売していたことを!

平禄寿司も無回答でしたが、「積極的には販売しません」と補足していることから、取り扱っていることが伺えます。

事実を聞いているだけなのに、無回答って、潔くないですよね!

ハイライト2:多くの企業が産卵期の太平洋クロマグロ販売が問題だと思っているのに販売している!

 

産卵期の太平洋クロマグロを販売し続けることが、個体数のさらなる減少、ひいては絶滅に影響すると思うか聞いたところ、回答のあった16社中、実に11社が、影響があると思っていることがわかりました。

問題視しながらも販売し続ける企業の体質、残念としか言いようがないですよね。何がこうさせているのでしょう?

ハイライト3:取り扱い中止・削減しないのはルールがないからだった!?

現在、取り扱いのある(あるだろう)企業10社のうち、販売を中止するとした企業はいませんでした。その理由として多かったのが、「消費者の需要があるから」でした。そのほかには、国による資源管理によって漁獲・流通しているから流通規制のない商品だから、などがありました。

つまり、販売を続けることが、太平洋クロマグロの絶滅に影響すると思っていても、やっていることは「違法」ではないし、国がきちんと管理しているから、売り続けるということでしょう。

でも、ちょっと待って!

もしも国の管理がちゃんとしていたとしたら、そもそも残り2.6%まで減ってしまうという、悲惨な事態に陥っていませんから!

おさらい

ここで、太平洋クロマグロについて、ちょっとだけおさらいです。

1 太平洋クロマグロは、残り 2.6%だけ

2 太平洋クロマグロの産卵場所は、日本海と南西諸島沖。日本の海にしかない

3 産卵しに日本海に泳いできた太平洋クロマグロは、日本の水産会社による巻き網漁で一網打尽にされている 

太平洋クロマグロを守れるのは私たちだけ

今まさに産卵期を迎えている太平洋クロマグロですが、もともといた数から2.6%までに減ってしまっています。資源崩壊とされる基準の10%をとうに下回っているので、本当なら「漁業・消費の全面禁止!!」と言いたいところですが、いまだに、わんさか出回っている日本の市場を見る限り、正直ハードルが高すぎるかも.....。

では、いますぐ私たちにできることはなんでしょう?

そうです、産卵しに帰ってきた太平洋クロマグロを守れるのは、産卵場所がある日本だけ!!でも、何もルールがないんです。そして、販売している企業は、こんなピンチな状態になっても、まだ盲目的に国の管理を信じているご様子。

でももう、マグロたちに残された時間はわずかです。こうなったら、私たち市民の意思を反映する義務のある「国」にルールを導入していただきましょう!

そこで、産卵期の禁漁と巻き網漁の規制を要請する署名を集めています。

まずは、キャンペーンのビデオをご覧いただいて、どう思ったかをポチッとお願いします!

 

調査にご協力いただいた企業のみなさまへ

問題だなぁと思っていたけど、ルールを待っているうちに絶滅しちゃった、なんてことになる前に、自主的に持続可能な調達にシフトしてください。そして、政府にルール作りを一緒にお願いしませんか?

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