2016/10/05 グリーンピース声明:規制委は、安全よりスケジュール優先 ーー関電美浜3号機の新規制基準適合審査合格に抗議

プレスリリース - 2016-10-05
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日5日、原子力規制委員会が 、関西電力美浜原発3号機(福井県)の新規制基準適合審査書案を正式決定し、新基準を満たしているとしたことを受け、以下の抗議声明を発表しました。老朽原発で、新規制基準の適合審査に合格したのは同電力会社の高浜原発1、2号機に次いで3基目です。

「原子力規制委員会が優先しているのは、原発の安全性や市民の安全よりも再稼動のためのスケジュールです。『40年を過ぎた原発は廃炉』という40年ルールを最も厳格に適用しなければならないのは、2004年に11人もの作業員が死傷する2次系配管破裂事故を起こした美浜原発3号機のはずです。しかし規制委は、11月末が締め切りの運転期間延長認可に間に合わせることを念頭に置いているようです。運転期間延長に向けた締切ではなく、住民の暮らしと命を最優先するべきです。

京都府の山田啓二知事は『古い原発は慎重の上に慎重を期すべき』と老朽原発の再稼働について発言しています。また、定期点検で6日にも稼働停止となる九州電力 川内原発1号機のある鹿児島県の三反園訓知事は、定期点検終了後の再稼働に向けても厳しい姿勢で臨むでしょう。現在、国内のほぼすべての原発の再稼働に対して差し止め請求などの訴訟が起こされており、原発の再稼働は今後ますます難しくなります。老朽原発の再稼働は、関西電力にとって適切な経営判断とはいえません」

Mihama reactor

美浜原発3号機は今年12月で運転開始から40年となるため、再稼働するには11月末までに運転期間延長認可を受ける必要があります。なお、適合審査に合格したとはいえ、これから原子炉内の機器の交換などの安全対策工事などに3年以上かかり、その費用は当初見込みよりも増加して1,650億円と報道されています。グリーンピースは、原発に頼らない社会をつくるため、消費者に、関西電力などの原発所有電力会社から、自然エネルギーを推進する電力会社への乗り換えを呼びかけています。

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