「日本の原子力産業はこの問題の幕引きを図ろうとし、フランスで起きていることが、自分たちの身に繰り返されないよう必死になっています。フランスの原子力産業はいま危機に陥っています。日本から鋼材の供給を受けた11の原発が停止を命じられ、原子力安全局(ASN)による調査を受けています。
フランスでは、非破壊検査(注1)と破壊検査(注2)を命じたあと初めて、基準を超す炭素濃度の問題の重大さがわかりました。一方、規制委に提出された電力会社の報告書には製造当時の数値等が示されていますが、フランスで行われている非破壊検査などは実施されていません。非破壊検査などの踏み込んだ検査が行われるまでは、規制委も原発の周辺の住民も、どのような原発のリスクにさらされているかを知りようがありません。規制委は、書類上の調査だけで終わらせず、電力会社に非破壊検査と破壊検査を緊急に指示するべきです。まずは現在稼働している川内原発2号機と伊方3号機を停止させて検査させることが求められます」
グリーンピースは10月25日に、『日本の原子炉に導入された一次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー』(注3)を発表し、原子炉圧力容器や蒸気発生器といった部材に炭素濃度の高い領域があった場合の原発のリスクについて、詳細に分析しています。
注1)対象を外部から超音波検査などにより調査する手法。注2)対象を破壊して内部まで検査する手法。サンプルか、廃炉が確定した原子炉の機器等で実際に検査することもできる。注3) 報告書要旨(日本語) 報告書全文(英語) ”Irregularities and anomalies relating to nuclear reactor primary coolant circuit components installed in Japanese nuclear power plants”参考) プレスリリース 「グリーンピース報告書『日本の原子炉に導入された一次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー』発表」
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