2017/02/07 声明:日本政府は「アメリカ・ファースト」ではなく「沖縄民意ファースト」をーー辺野古海上工事再開に抗議

プレスリリース - 2017-02-07
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、7日、防衛省沖縄防衛局が名護市辺野古の新基地建設に向け、汚濁防止膜固定のためのコンクリートブロックの海底への投下を開始したことを受けて、下記の声明を発表しました。

「沖縄の民意が一貫して『辺野古新基地反対』を示している今、日本政府は米国の方を向く『アメリカ・ファースト』ではなく、沖縄の民意を第一に考える『沖縄民意ファースト』の姿勢を示すべきです。これまで米軍キャンプ・シュワブのゲート前や海上などで工事に反対する市民が座り込みなど平和的な抗議を連日続け、実際には工事は何度も中断しています。今回の海上工事は、基地建設の本体工事や埋め立て工事ではありませんが、10日の日米首脳会談直前に再開され、まるで工事が順調に進んでいるように見せるパフォーマンスのようです。

辺野古新基地計画は、重大な環境破壊です。大浦湾海域は確認されているだけでも、絶滅危惧種262種を含む5,300種以上の海洋生物の生息地です。この生物多様性豊かな『命の海』には、絶滅が危惧されているジュゴンの数少ない餌場もあります。昨年12月に米軍輸送機オスプレイが墜落したのは辺野古対岸の安部の海岸で、ジュゴンの食み跡も確認されている海域です。環境破壊に加え、県民の生命と安全な暮らしがすでに脅かされています。

グリーンピースは、過去に3回、キャンペーン船を沖縄に派遣し、地元の人々と周辺海域の調査や抗議行動を行ってきました。2016年9月21日からは、楽園のように美しく生態系豊かな大浦湾の海とやんばるの森の保護を訴えて『命の楽園をまもって』署名を開始し、12月には防衛省に20,086筆を提出しました(一次集計分)。沖縄の民意が押しつぶされないよう、沖縄の平和と環境保護を願う人々が全国から応援を送り続けることが必要です。

日米両政府は環境保護の観点で絶滅危惧種とその生息環境及び生態系を持続的かつ国際的に保護していくことを大前提に、沖縄の民意と全国の声を公平に聞き入れ、新基地建設の工事を中止するべきです。日本政府は『アメリカ・ファースト』を掲げるアメリカの新政権の誕生を受けて、アメリカとどのような関係を築いていくべきか、見つめ直すべきです」

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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン