2017/04/03 グリーンピース、チリの豊かな海をサーモン養殖場から守る署名開始 三菱商事、ノルウェーサーモンの500倍以上の抗生物質をチリで使用

プレスリリース - 2017-04-03
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日3日、チリ南端部のマガジャネスの海をサーモン養殖場の影響から守るため、三菱商事株式会社に対し、子会社セルマック社が申請する養殖場の撤回を求める署名『南米最後の手つかずの海を救おう』を開始しました(注1)。グリーンピースは2月8日、チリとアルゼンチンで三菱商事に対し、同キャンペーンを開始し、これまでに14万人以上が賛同しています。

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写真:セルマックのサーモン養殖場

マガジャネスの海は、自然保護区およびユネスコの生物保存地域に指定され、絶滅危惧種のシロナガスクジラや世界中でもチリにしかみられない準絶滅危惧種のハラジロイルカなどが暮らす生物多様性の豊かな海です(注2)。 

セルマック社は現在、マガジャネス地域に13カ所のサーモン養殖場の設置許可を申請しており、うち10カ所はハラジロイルカが最も頻繁に見られる国立保護区内に位置しています。環境NGOオセアナの2016年の調査によると、セルマック社がチリの養殖場で使用している抗生物質はノルウェーの自社養殖場に比べ、養殖されたサーモン1トン当たり500倍以上の抗生物質を使用していることが判明しました(注3)。2004年にAnihue自然保護区付近に養殖場を設置後、その海域のハラジロイルカに皮膚病が確認され、原因は養殖場で使われる抗生物質による水質汚染だと指摘されています(注4)。

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写真:マガジャネスの海を泳ぐミナミカマイルカ

グリーンピース・ジャパン 海洋生態系担当 小松原和恵は、「サーモン養殖場で使われる大量の抗生物質や飼料により、イルカやクジラの暮らす豊かな海が汚されています。南米最後の楽園を守るためには、豊かな海を願う市民が世界中で警鐘を鳴らし、企業に声を伝える必要があります。チリ産養殖サーモンの一番の輸出先は日本で、全体の25%を消費する最大の市場です。日本からも声を伝えましょう」と訴えました。

グリーンピース・ジャパンは市民と共に、海の環境にも水産業に携わる人々にも優しい持続可能な漁業を推進しています。

注1)オンライン署名『南米最後の手つかずの海を救おう』ウェブページ  http://act.gp/2mS8Sfw

注2)http://www.sibmagallanes.cl/esp/index.php

注3)http://www.economiaynegocios.cl/noticias/noticias.asp?id=268734

注4)Fuente: Skin disorders of coastal dolphins at Añihué Reserve. / Sanino G P, Van Bressem M F, Van Waerebeek K, Pozo, N. / 2014. Boletín del Museo Nacional de Historia Natural, Chile, 63: 127-157

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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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