はじめまして、アクション・キャンペーナーの鈴木徹です。みなさんご存知と思いますが、今回の裁判で佐藤とともに起訴されている「もう一人」です。

これまでアクション・コーディネーターという裏方的な仕事に徹していたため、ブログという形で自分から情報発信することに、とても新鮮な感じを覚えています。しばらくおつきあいのほど、よろしくお願いします。

さて、裁判やその進展についての自分自身の考えや意見もあるのですが、まずは一ボランティアだった自分がどうして横領鯨肉告発の中心人物の一人になったのか、そして今日までにいたる過程で、そこここで目撃した物事はいったいどういう意味を持つものだったのか、そんな話を少しずつ紹介していきたいなと思っています。

自分自身、環境やNPOとはあまり縁のない業界からの転身ということもあり、どうやらグリーンピースでは異色キャラのようなので、このブログの話がたまに脱線するかもしれませんが、ちゃんと戻ってきますのでご心配なく。

「どっから見てもまともな需要がないゾンビ企業」である捕鯨を無理やり続けていることに疑問を抱き、グリーンピースの活動に加わることわずか1年半。予想もしなかった展開を経て、この国がいま抱えている危うさを文字どおり肌で知ることができました。

大きな犠牲を払っていることはもちろんなのですが、この経験自体は人生において大きな収穫だったと感じています。世の中をいい方向に変えていきたい――そう考えてきっちり一歩前に踏み出すことが、この国ではどれだけたいへんなことか。

事実がいとも簡単に捻じ曲げられてしまうこと、真実が隠蔽されてしまうこと、そしてそれらがあちこちで日常的に行われていること。知れば知るほど、怒り心頭になります。

でも、もっと大きな問題は、それらに関心を持たない「無関心」な人たち。無関心を装って、目の前の問題がまるでないかのように生きていく、無関心が生むツケがあとでどれだけ高価なものになるか、人間の歴史は「無関心が生む悲劇」の繰り返しです。

この不景気の中、多くの人が明日をも知れぬ生活を送り、「それどころじゃないよ」という気持ちでいることでしょう。でも、実はいまの自分の生活の原因がこの「無関心」にあることに気づいている人は多くはないと思います。

こんな時代だからこそ、あえて一歩踏み出す勇気を持つ人たちが貴重な存在となります。そういう人が一人でも増えていかない限り、これからもっともっと生きていくのが難しい世界になっていきます。

グリーンピースの活動を通じて、ぼくは本当にいろんなことを目撃することができましたし、「知ること」が「問題の根を絶つ」ことにつながることも身をもって感じることができました。

ぼくが目撃したことを多くの人に共有してもらうことで、「一歩前に踏み出す人たち」が一人でも増えてくれることを心から願っています。

次回からぼくとグリーンピースの関わりについての話をはじめます。