「もう勘弁してください」は誰が言うべきか。

昨日の沖縄県知事選挙で、沖縄県辺野古への基地移設反対を訴えた翁長雄志氏が、現職候補に約10万票の差をつけて圧勝した。

あの綺麗な海を泳ぐジュゴンやウミガメ、そして海底で物言わず棲み続けるサンゴたちもこの結果を喜んでいるにちがいない。

当選確定後、翁長氏は「『もう勘弁してください』との(沖縄県民の)切実な思いが今回の選挙にはあったと思う」と語った。しかし、本来「もう勘弁してください」と素直に負けを認め、基地建設の方針を撤回すべきは安倍政権ではないだろうか。それが民主主義のはずだ。

 

辺野古の基地建設工事が強行される?

むしろ、政府は「(建設の是非は、)過去の問題」(菅義偉・官房長官)として、より強行的に建設を進めるだろう。

先日、選挙前の辺野古を訪れたが、海上での工事作業はストップしていた。「選挙期間中だったこともあって、県民に工事を強行しているというイメージをつけたくないのだと思うよ」と現地で座り込みを続けている沖縄の"おばあ"は言っていた。

同時に「選挙が終わってからが、辺野古の現場の本当の闘いかもしれない」とも語っていた。それは、政府がより強行な方法を使って工事をするだろうと予想しての言葉だった。

 

裸の王様は誰?

カネと権力で民主主義を無視するやり方には本当にうんざりだ。今回の沖縄県知事選の結果は政府の札束攻撃に人々が反旗を翻した結果だろう。この政権はカネと権力に頼るしか選択肢がないのだろう。そんな政府に誰が敬意を払うのだろうか?

APECに出席した安部首相の存在感のなさは、カネや偏見的なナショナリズムをまとった裸の王様のようだった。国際社会でのカリスマ性は微塵もない。

そんな裸の王様が自分の延命のために解散、総選挙をしたいという。アベノミクスは格差と借金を、秘密保護法は不信を、集団的自衛権は不安を、そして原発再稼働は危険を広げている。

来年は戦後70年だ。

沖縄県民は今回の選挙で、70年目に向けて民主的なパワーを取り戻した。年末の総選挙、そして来年の統一地方選で、日本全国で同様のことを起こして、70年前の教訓に対して襟を正すとともに、将来世代を真剣に考える政治を取り戻そう。

「もう勘弁してください」というべきは、総選挙後の安倍政権であるべきだ。

 

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