(写真:福島市内の保育施設にて(c)Noriko Hayashi / Panos / Greenpeace)


こんにちは、エネルギー・核問題を担当している鈴木です。

6月16日午後3時、福島の子どもたちを守るNGO共同署名第2弾を文部科学省へ提出しました。

署名の数は、27,217筆にもなりました。ご協力ありがとうございました。

この署名は、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、グリーンアクション、そしてグリーンピース・ジャパンが呼びかけたものです。その仲間たちと文部科学省へ行きました。

提出後、文科省の科学技術・学術政策局次長さんたちと1時間ほどお話をしました。

子どもの被ばくを考えるとき、現在は、ほこりの吸い込みや、食べ物・飲み物からの内部被ばくは考慮されていません。

これは、おかしいのではないか。給食の食材のモニタリングはしないのですか?
わたしたちNGOからのこの質問に対して、文科省の方は、市場に出回っている食品は、暫定基準値を下回っているので問題ありませんというのです。

けれど、文部科学省は5月23日、「年1ミリシーベルト」をめざしますと言ったのです。

たとえば福島市の空間線量は、文部科学省の最新のデータ(6月16日)で、毎時1.8マイクロシーベルトもあるのです。
この数字を単純に年に換算すると15.768ミリシーベルトです。チェルノブイリでしたら、強制移住です。

そのような場所で子どもたちを育ててらっしゃる親御さんなら、「せめて、内部被ばくはゼロにしたい」と思うのは当然ではないでしょうか。
食材を選ぶことで、食事からの内部被ばくを防ぐことができるのに、しないのはなぜでしょうか。

その一方で、ひとつだけでしたが、前向きなお話もありました。

文科省の配布している「保護者の皆様へ」という文書に「屋外3.8マイクロシーベルト時を超えない学校は、校舎・校庭などを平常通り利用しても差し支えない」とあります。
わたしが「今では年1ミリシーベルトをめざすのですから、”差し支えない”というのはおかしいですね。改訂してください」と申し上げたのですが、してくださるようなのです。

さて、提出した署名は、
  ・4月19日に文科省が示した子ども「年20ミリシーベルト基準」の撤回
  ・現行の1ミリシーベルト基準の維持
  ・子どもの被ばく量を最小化するためのあらゆる措置を政府の責任で実施すること
  ・内部被ばくを考慮に入れること
  ・屋外で3.8マイクロシーベルト/時以下になったとしても、モニタリングを継続すること
を求めたものです。

「年20ミリシーベルト」の撤回はまだですが、「年1ミリをめざす」方針を出していただき、また、被ばく量を減らす措置として、汚染土の除去に経済支援をすることになりました。
また、結果的に基準3.8マイクロシーベルト/時以下となったところも、モニタリングは継続されています。もちろん、まだまだまだ課題はあります。(ブログ福島の子どもたちを守る闘い、1歩前進をご覧ください