こんにちは。
ミツバチ大量死の一因として知られるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留基準が、厚生労働省によって大幅に引き上げられようとしています。
報道(注1)によれば、2014年2月上旬にも残留基準の引き上げが正式発表されそうです。
この引き上げをしないよう求めるため、緊急オンライン署名を始めました。
是非ご参加ください→参加はこちら
引き上げを、とめなくてはならない理由:
たとえば、さとうきびは20倍、しゅんぎくは50倍、そしてカブの葉にいたっては2000倍と、極端に緩和しようとしています。
たとえば、
ホウレンソウ 3ppm⇒40ppm
カブの葉0.02ppm⇒40ppm
こまつな1ppm⇒10ppm
しゅんぎく0.2ppm⇒10ppm
(その他の農産物(食品)については厚生労働省の案に掲載されています)
ところで、この日本の残留基準、実は現在でさえヨーロッパの基準の2倍~100倍も緩く設定されています。それをさらに緩めようとしています。
ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンは、ヨーロッパではミツバチを保護するために昨年12月から使用が禁止されています。(注2)
受粉を担うミツバチは、農業を支える大事なパートナーです。
残留農薬の基準引き上げは、農薬の使用が増えることにもつながります。
- ネオニコチノイド系農薬の中には、子どもの脳や神経の構造発達に有害な影響を与えるものがある可能性が指摘されています。
欧州食品安全機関は、去年の12月17日、ネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドとイミダクロプリドが、人間の学習や記憶のような機能に関係する神経と脳の構造発達に有害な影響を与える恐れがあるという発表をしました。そして、予防的措置として、アセタミプリドについて1日に取ることができる許容摂取量(ADI)を引き下げるよう勧告しています。この二種類以外のネオニコチノイド系農薬についても調査の必要性があるとしています。(注3)
日本の、残留基準の引き上げは、EU諸国が規制を厳しくしているのとまったく逆行しています。
クロチアニジンの残留基準引き上げについては、昨年(2013年)10月から11月にかけて、、国民の意見を募集するパブリックコメントが実施されました。グリーンピースが厚生労働省に確認したところ、1000件を超える意見が寄せられたそうです。
ここでもう一声、農薬の残留を増やさないでというみなさんの声を送ってください。
署名はこちらから↓
注1: 東京新聞2013年11月25日【特報】農薬大国ニッポンの逆走 「ネオニコ」拡大路線 ミツバチ大量失踪の「主犯」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013112502000146.html
注2:EUブリーフィングペーパー:EUで開始されたネオニコチノイド系農薬の規制に関して
注3:ブログ:ネオニコチノイドにヒトの神経と脳の発達に悪影響の可能性―欧州食品安全機関の科学的意見
<過去のブログ>
「EUでネオニコチノイド系農薬の規制スタート!」(2013年12月6日)
「日本は農薬大国!? 農薬を使う理由は?」 (2013年11月22日)
「残留農薬が現在の2000倍に?! パブコメ」(2013年11月1日)
「ヨーロッパのハチに朗報!「ハチ大量死」農薬の追加規制が決まる」(2013年7月17日)
「ハチ大量死の原因はネオニコチノイド系農薬―住友化学は否定するけれど…」 (2013年6月19日)