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こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

高浜原発 

関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が再稼働しました。

高浜3、4号機にはプルトニウム燃料が使われているのをご存知ですか?

プルトニウムといえば、核爆弾の材料ですが、原発でウラン燃料を燃やすと、プルトニウムができます。

高浜原発の燃料には、そのプルトニウムが初めから入っている燃料(MOX燃料:モックス燃料と読みます)が使われています。

このMOX燃料をつくる工場は、フランスにあります。

 

プルトニウムMOX燃料の、秘密の海上輸送始まる

MOX輸送 (写真:過去のMOX燃料輸送 2000年撮影)

高浜原発用の新しいMOX燃料のフランスから日本への海上輸送が来月から始まる、という情報をグリーンピースは独自に入手しました。

通常、MOX燃料輸送積み出し港については、欧州出発日の数日前まで、出発日、輸送ルート、到着時期、積出港、輸送船名、輸送物は、欧州出発後まで公開されません。

けれども、万が一の際に対応しなければならない輸送ルートの沿岸国は、以前より反対の意見を表明したり、輸送について事前協議を求めてきました。輸送の停止を求める国もあります。

MOX燃料の海上輸送は、輸送中の海上火災、沈没、衝突などの海難事故にともなう取り返しのつかない海洋汚染、テロリストに奪われる危険性*などのリスクなどがあり、このような周辺国の要求は、当然だと思います。

輸送当事国であるイギリス、フランス、日本は、これらの要求に対して応えてきませんでした。 グリーンピースは、情報を求める国々と住民に対して、原子力産業が提供を拒否している情報を提供するのを自らの使命と考えています。

 

ウラン燃料よりも、もっと危険なプルトニウムMOX燃料

MOX燃料では、原子炉を止めるときなどに使う制御棒の効きが悪くなるなどがあり、過酷事故のリスクが高まり、事故のときの被害はより深刻なものになります(注2)。

そもそもプルトニウム利用は何のため? 

高速増殖炉もんじゅ (廃炉が決まった高速増殖炉もんじゅ 1999年撮影)

そもそも、なぜ、より危険なMOX燃料を使うのでしょうか?

日本には、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出してまた発電の燃料に利用するという「核燃料サイクル計画」があります。しかし、実際には、プルトニウムを燃料とする高速増殖炉(もんじゅ)計画は失敗しましたし、プルトニウムを取り出す再処理工場(青森県)も、建設から20年たっても本格稼働できていません。

計画が破綻しているのに、あきらめないのは、実はプルトニウムを取り出すためと言えば、やっかいな使用済み核燃料(非常に危険な放射性廃棄物)を原発敷地から、再処理工場へ送ることができるからではないでしょうか。

 

まやかしの核燃料サイクル計画はやめよう

六ケ所村再処理工場 (使用済み核燃料再処理工場 2004年撮影)

再処理をしない、ということになれば、再処理工場へ送ることができず、使用済み核燃料が原発内で保管できる量を超えれば、原発は止めなくてはなりません。

原発を止めたくない政府は、核燃料サイクル計画をやめると言えないのでしょう。

でも、このようなまやかしの計画は、やめるべきです。

まやかしの計画のために、関西圏の住民を大きな危険にさらす高浜原発の再稼働は許されません。

注1)今回グリーンピースが入手した情報によれば、少なくとも16体のMOX燃料集合体を積んだ英国船籍輸送船が、7月7日フランスのシェルブール港から日本へ向けて出港する予定。プルトニウムの量は496から736キログラムと推測される。核兵器を1発に必要なプルトニウムの量は5キログラム。輸送船は武装したパシフィック・イグレットとパシフィック・ヘロンで、どちらか一方にMOX燃料集合体が積まれ、もう一方が武装警護の役割を果たす。高浜に到着するのは、パナマ運河経由の場合8月中旬、喜望峰またはホーン岬経由の場合は9月上旬になる。

注2)製造者であるアレバ社の品質管理状況に疑義があり、グリーンピースは他のNGOとともに、MOX燃料に関する安全データの公開を求めているが、アレバ社は現時点で公開請求に応じていない。

注3) 日本が保有しているプルトニウムは、合計約48トン。英仏に約38トン、国内に約10トンが保管されている。

* こうしたリスクを回避する方法は、輸送をやめることしかありません。

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