こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

福島のお母さんたちと、俳優の山本太郎さんといっしょに、脱原発と自然エネルギーの今をたずねるドイツの旅、自然エネルギー編です。

今回ご紹介するのは、ベルリン郊外のブランデンベルク州・フェルドハイム村。

ここは、地元農家が協同組合をつくって自然エネルギー利用を模索したことがきっかけとなり、現在は140人が暮らす村の電力と熱の100%をバイオガスと風力によって自給。
村の収入の4分の1が自然エネルギー事業によってもたらされています。

フェルドハイムでは、地元農家の協同組合がトウモロコシと豚の排泄物を利用して熱と電気を生み出す一方で、近隣の発電会社エネギクエラ社(energiequelle)が村の農地で風車43基と太陽光パネルで発電をおこなっています。

これらの風車は1基2000kw(約2000世帯分。 x43基=86,000世帯分!)の電気を発電できるもので、地元に供給する分以外は、電力会社に売電されます。

フェルドハイムは、一般の送電線には接続しておらず、完全に独自のエネルギー生産を実施。
自然エネルギー自給コミュニティーとして、ブランデンブルク州が公式にサポートしています。

ちなみに、人口230万人のブランデンブルク州は、すでに電力の60%を自然エネルギーが生み出しており、2020年までに電力の100%を自然エネルギーにすることを目指しています。

一方で、村の農家の仕事は農産物をつくることであり、バイオガス用のトウモロコシなどの栽培はあくまでも補完的で、農業生産を妨げない範囲で行っています。


また、エネギクエラ社は、太陽パネル用の太陽追尾システムをフェルドハイムにある工場で生産。
10分ごとに太陽の位置に合わせて、発電に最適な角度にパネルを調整する装置で、据え置き型にくらべ発電量が約35%増加します。

フェルドハイムは、2030年のドイツの姿を、ひと足早く体験できる場所。

久々に青空がのぞいた冬の北ドイツで、バイオガス発電や風を受けて回る白い風車たちに、福島のお母さんたちも、子どもたちも、山本太郎さんも、大興奮でした。

日本でも、エネルギー転換は可能です。
詳しくは、こちら: レポート『自然エネルギー革命――2012年、すべての原発停止で日本がよみがえる』


(写真:風を受けて回る43基の風車 (c)Greenpeace)