こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

グリーンピースと世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を提供するフェイスブック社は12月15日、自然エネルギー利用を推進する共同プレスリリース(注1)を発表しました。

このなかでフェイスブック社は、「自社のすべてのエネルギーを自然エネルギーでまかなうことを目標とする」とし、電力会社に自然エネルギーの供給を増やすよう求めていく方針を示しています。

みなさん、フェイスブック、使っていますか?
自分の写真や近況を友達と簡単に共有することができるオンラインサービスで、ミクシィ(mixi)などと似ています。
2004年の設立以来、急速に利用者を伸ばし、現在世界中に8億人の利用者がいるとのこと。
グーグルやツイッターと並んで、急成長しているインターネット関連会社で、日本でも利用者が増えています。

そんなフェイスブック社がグリーンピースと一緒に行った今回の発表は、画期的なもの。
グリーンピースは、同社に対して、データセンター(注2)運用に石炭火力ではなく自然エネルギーによる電力を使用するよう、2年間にわたり働きかけてきました。

その中心となったのは、「Unfriend Coal(石炭と友達にならないで)」(注3)と名付けたキャンペーン。
特設のフェイスブックページには、世界中の70万人が登録し、「一日に最もたくさんの書き込みがあったフェイスブックページ」世界一としてギネス記録も打ち立てました。

今回の共同プレスリリースでフェイスブック社は、今後下記に取り組むとしています。

● 自然エネルギー利用の可否をデータセンターなどの立地を決定する際に考慮する
● 省エネについての研究を進め、それに関するテクノロジーを公表する
● 今後のデータセンターへの自然エネルギーソリューションについて継続して研究を行う
● 自社データセンターに供給する電力会社に対して、自然エネルギーの割合を増やすよう求める

また、グリーンピースとフェイスブック社は、電力会社や電力を多く使用する企業に対して、エネルギーの調達についての情報を開示し、自然エネルギーの普及を進めることを求めていきます。

フェイスブック社のサステイナビリティープログラムのマーシー・スコット・リンさんは、
「フェイスブックの使用する一次エネルギーが自然エネルギーでまかなえる日を心待ちにしています。
その日が少しでも早く実現するよう、グリーンピースやその他関係者と協働していきます」
とコメントしています。

今回の発表とグリーンピースのキャンペーンをニューヨークタイムスも伝えています。

どのような発電方法による電力を使うかは、消費者の新しい関心事になっています。
自然エネルギーを選択するビジョンを掲げたフェイスブックの発表は、業界を越えて派生していくでしょう。

特に、原発事故を経験し、エネルギーへの関心が非常に高まっている日本では、企業からの迅速なリーダーシップが待ち望まれます。


注1: 共同プレスリリース(英語)
注2: 世界中のデータセンターで、サーバーの運用や施設の冷却などに使用された電力量の合計は、3300億キロワット時(2007年)と推定され、日本の年間電力需要の3分の1に匹敵し、2020年には3~4倍に拡大する見込み。(Make IT Green report, Greenpeace 2010)(英語)
注3:Unfriend Coal(石炭と友達にならないで)キャンペーンについて
(写真:Unfriend Coalキャンペーンのイメージ (c)Greenpeace)