2018/01/31 化石燃料に依存する公式スポンサーのサムスンに、自然エネ100%宣言を求めるーー史上初自然エネ100%の平昌五輪を前に

プレスリリース - 2018-01-31
国際環境NGOグリーンピースの活動家は、1月30日、10日後に迫る韓国での平昌冬季オリンピックを前に、電子機器メーカーサムスンに対し自然エネルギー100%宣言を求めるアクションを、ベルリン、台北の2カ所で行いました。平昌五輪は、オリンピック史上初めて100%自然エネルギーで大会を開催するという目標を設定していますが(注1)、公式スポンサーの1つであるサムスンの自然エネルギー利用率はわずか1%です(注2)。

グリーンピース サムスン 平昌オリンピック 自然エネルギー

ベルリンでは、グリーンピース・ドイツの活動家が、再建中のベルリン王宮の建設現場の上から「いますぐ自然エネルギー100%へ、”できることは、もっとある”(#DoBiggerThings)」と書いた40平方メートルのバナーを掲げました(写真上)。また台北では、グリーンピース・東アジアの活動家が、サムスンの店舗の上から40〜85平方メートルの2つのバナーを掲げ「気候変動を悪化させないで」と訴えました(注3)。
 

急成長を続けるIT業界による環境負荷が増大の一途をたどるなか、スマートフォンの最大メーカーであり、半導体等の最大サプライヤーの1社でもあるサムスンは、依然として大部分を化石燃料による発電に依存しています(注4)。

カナダ・ オンタリオ州にあるウォータールー大学の地理学教授ダニエル・スコット氏は、自身の研究結果(注5)をもとに「これまでウィンタースポーツが可能だった多くの地域の気候は、かつてと同じではありません。地球の気温上昇が加速的に進むことによって、冬季五輪を開催することができる地域はより減少していきます」と警鐘を鳴らしました。

グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当 石川せりは「自然エネルギー100%で行われる平昌五輪の公式スポンサーとして、サムスンは今こそ自然エネルギー100%を宣言をする時です。一方、世界中で気候変動への強い危機感があるなか、次の五輪ホスト国である日本は、いまだに石炭火力発電所の新規建設を40基以上も計画し、技術輸出を進めるなど、世界の流れと逆行しています。脱炭素・持続可能な五輪を実現するために、日本企業も積極的に行動し、社会に変化をもたらすリーダーとなることを期待します」と語りました。

グリーンピースはサムスン電子に対し、すでに自然エネルギー100%宣言をし、実現に向けて取り組んでいるアップルなどのIT企業と同様に、自社事業およびサプライチェーンの自然エネルギー利用目標を緊急に設定するよう求めています。昨年11月より、サムスン電子に向けたメールアクションを展開しており、気候変動対策を求める18,000人以上からのメールが直接同社CEOのアドレスあてに届けられています(注6)。

 

(注1)『Olympic Games Impact(OGI) Study for the 2018 PyeongChang Olympic and Paralympic Winter Games』(p.115, 358)(2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会および韓国地方行政研究所、2016年)

(注2)2016年の電力消費量16,000GWhに占める自然エネルギーの使用はわずか1%でした。製造拠点は世界に38カ所、2,000社以上のサプライヤーと提携し、近年は気候変動の影響を最も受けやすい地域の1つである東南アジアにも徐々にビジネスを拡大しています。

(注3)アクションの様子の写真・動画

(注4)『環境に優しい電子機器企業ガイド』(グリーンピース・ジャパン プレスリリース、2017年11月)

(注5)”Of 21 Winter Olympic Cities, Many May Soon Be Too Warm to Host the Games”、2018年1月11日、New York Times 

(注6)メールアクション「サムスン、気候変動を悪化させないで」

 --

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

 

 

トピックス