2018/02/24 母子避難中の森松明希子さん、国連人権理事会でのスピーチ決定ーー人権勧告への日本政府態度表明の場で、福島原発事故避難者の実情を訴え

プレスリリース - 2018-02-24
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日24日、東京電力福島第一原発事故により福島県から大阪府へ母子避難を続けている森松明希子さんが、3月16日にスイス・ジュネーブで行われる国連人権理事会本会合でスピーチをすることが決定したことを発表します。日本政府が、国連人権理事会による普遍的定期的審査(UPR)の作業部会で出された217の人権是正勧告に対し態度表明をする場で、森松さんは被害者を代表して、日本を含む各国政府代表者や国連の人権担当者に原発事故被害者の実情を訴える予定です。

昨年11月、UPR作業部会で、複数の国連加盟国が日本政府に、区域外避難者を含む被害者への住宅面、経済面、健康面等の支援の継続、許容放射線量を年間1ミリシーベルトに戻すこと、帰還に関する意思決定プロセスへの住民参加の促進等を勧告しました。特に女性や子どもの権利の尊重の必要性が強調されています(注1)。

森松さんは、2011年5月より、郡山市から大阪府大阪市に母子避難をしており、「避難の権利」を求めて大阪地方裁判所に集団訴訟を提起した原発賠償関西訴訟原告団代表を務めています。グリーンピースは、国連の中でNGOが持つ最高位の「総合協議資格」を生かして、国連人権理事会本会合でのスピーカー申請を行い、当事者である森松さんにスピーチを依頼していました。

森松さんは、「『放射線被ばくから免れ健康を享受する権利』は、人の生命・健康に直接関わる最も重要な基本的人権であると7年間訴え続けて来ました。人権侵害が常態化していていること、保護・救済を切望しても全く当事者の意見は反映されず、改善されていないことを世界に訴えたい」と語りました。

グリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の鈴木かずえは、「昨年秋、国連関係者への働きかけに尽力した福島からの避難者の園田さんは、勧告が出されたとき、日本政府が聞いてくれなかった被害者の声を世界が聞いてくれた、と喜びました(注2)。国際舞台でこの問題を訴えるため、また一人お母さんが立ち上がりました。日本政府は、勧告を受け入れ、原発事故被害者の人権状況を改善するべきです」と語りました。

(注1)UPR第3回日本政府審査・結果文書(暫定版)P14
(注2)国連人権理事会の対日人権審査で、福島原発事故被害者の人権問題に懸念 ーー日本政府は勧告の受け入れを(グリーンピース・プレスリリース、2017年11月14日)

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なお、グリーンピースは森松さんを迎え、3月8日に以下の勉強会を開催します。ぜひ、ご参加ください。

勉強会「国連人権理事会、福島原発事故関連の勧告の意義とは?」

国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)作業部会で出された福島原発事故関連勧告の意義を、人権問題のスペシャリストや事故被害当事者とともに考えます。また、グリーンピース・ジャパンが飯舘村と浪江町で行った最新の放射線調査についても報告します。

日時:3月8日(木)11:30-13:00 (開場11:00)

場所:参議院議員会館 B104会議室(東京都千代田区永田町2-1-1)


登壇者


伊藤和子氏: 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長

海渡雄一氏:弁護士、脱原発弁護団全国連絡会の共同代表、多くの福島原発訴訟を手がける

松本徳子氏:避難の協同センター代表世話人、郡山市から神奈川県に避難中

森松明希子氏:東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表、原発賠償関西訴訟原告団代表、原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表、郡山市から大阪府に母子避難中

ヤン・ヴァンダ・プッタ:グリーンピース放射線防護スペシャリスト 

お申し込みはこちら:http://bit.ly/2C4hGBE (お申込み期限3月7日)

 

 



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