食品放射能調査第4回目

記事 - 2012-02-29
スーパーマーケットの数、対象地域をさらに拡大。鮮魚に加え、ベビーフード、養殖魚も調査対象としました。

放射能測定室 シルベク 食品放射能調査
4回目:冬のお魚調査(養殖魚含む)・ベビーフード調査

食品流通の中で広がる放射能汚染を調査するため、スーパーマーケットで鮮魚の抜き打ち調査を行いました。
グリーンピースに寄せられたご要望にお応えし、スーパーマーケットの数、対象地域をさらに拡大。
また、放射能汚染の経路として養殖に使用される餌(魚)も考えられるため、養殖魚も調査対象としました。

この調査には、全国の12人の市民調査員の方が、検査する食品をスーパーマーケットなどで購入して、ボランティアでご協力下さいました。
みなさまありがとうございました。

冬のお魚調査(養殖魚含む):
食品流通の中で広がる放射能汚染を調査するため、スーパーマーケットで鮮魚の抜き打ち調査を行いました。
グリーンピースに寄せられたご要望にお応えし、スーパーマーケットの数、対象地域をさらに拡大。
また、放射能汚染の経路として養殖に使用される餌(魚)も考えられるため、養殖魚も調査対象としました。
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ベビーフード:
細胞分裂が活発な乳幼児は放射能の影響を受けやすく、乳幼児が口にする食品を対象にした調査を希望する多くの声がグリーンピースに寄せられました。
また食品に含まれる放射性物質の暫定基準値が4月から見直される動きを受けて、今回はベビーフードの調査も行いました。
調査にさきがけて子育て中のお母さんたちに聞き取り調査を行い、商品や購入場所の選択に反映しました。
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冬のお魚調査

調査結果

  • 全30サンプル中7サンプルで放射性セシウムが検出されました。
  • 数値が最も高かったものは、名古屋市で販売されていた宮城県産スケソウダラで、1キログラム当たり14.8ベクレル(セシウム134+137)でした。
  • 今回、検出されたサンプルの中で福島第一原発から最も距離が離れて漁獲されたものは静岡県産のカツオで、1キログラム当たり9.8ベクレル(セシウム134+137)でした。
  • 鹿児島県産の養殖魚(ブリ)からも放射性セシウムが検出されました(1キログラム当たり7.2ベクレル、セシウム134と137の合計)。
  • 汚染の経路は、養殖で使用される餌の可能性が考えられます。

第三者機関からの検査結果報告書>>

調査内容

  • 調査期間: 2012年1月27日〜2月20日
  • 地域:福島県、東京都、愛知県、大阪府、福岡県
  • 対象:30サンプルの鮮魚
    季節の魚で、東日本太平洋側を産地とする魚
    上記5地域の近海で漁獲された魚
    養殖魚
  • 購入場所:国内大手5社と調査地域でチェーン展開しているスーパー5社の計10社
  • サンプル採取:市民調査員(ボランティア)により店頭で購入
  • 検査方法:第三者機関で、ゲルマニウム半導体検出器を用いてヨウ素131、セシウム134、セシウム137について検査。

ベビーフード

調査結果

  • 全35サンプルは4月から適用される予定の乳児用食品の新基準値(50ベクレル/キログラム)を下回るものの、2サンプルから放射性物質(セシウム134、137)を検出しました。
  • 2サンプルはともに、鹿児島県で製造された茶葉で、検査は茶葉の状態で行いました。
  • ほうじ茶は1キログラム当たり1.9ベクレル(セシウム134+137)、番茶は1キログラム当たり1.0ベクレル(セシウム137のみ、セシウム134は検出限界値未満)を検出しました。
    商品情報は下記のとおりです。
    有機栽培ほうじ茶 (ティーバッグ)賞味期限:13.01.09
    有機栽培番茶(ティーバッグ)賞味期限:13.01.06
    上記2商品ともに販売者:株式会社赤ちゃん本舗 製造者:株式会社あさみや知覧工場
    原材料名:有機緑茶(国産)
    この2商品はアカチャン本舗オリジナル商品のため、販売者であるアカチャン本舗へ調査結果を事前にお知らせしています。

第三者機関からの検査結果報告書>>

調査内容

  • 調査期間: 2012年1月27日〜2月16日
  • 対象:下記をふまえてベビーフード35サンプルを選びました。
    0カ月から1歳6カ月までの乳幼児を対象にした食品(粉ミルク、離乳食、お菓子)、飲料、離乳食を手作りする際に使用する食材や調味料
    福島第一原発事故以降に製造された食品
    聞き取り調査から、品目、ブランド、製造会社を選択
    国内の原材料を使用している、もしくは国産の商品を中心に選択
  • 購入場所:大手ベビー用品店、ドラッグストア、スーパーマーケット
  • 検査方法:第三者機関で、ゲルマニウム半導体検出器を用いてヨウ素131、セシウム134、セシウム137について検査。

グリーンピースが考える食品の基準値

政府は食品に含まれる放射性セシウムの暫定基準値を、4月より次のように改訂する予定です。

改訂案

  • 飲料水/飲用茶:10ベクレル/キログラム
  • 牛乳:50ベクレル/キログラム
  • 乳児用食品:50ベクレル/キログラム
  • 上記以外の食品:100ベクレル/キログラム

食品の放射性物質の新たな基準値について(厚生労働省) >>

放射能には、これ以下なら安全という閾値(いきち)はありません。
とりわけ、子どもは放射能の影響を受けやすく、可能なかぎり人工の放射性物質の摂取をさけて、内部被ばくをおさえることが望ましいと考えられています。

基準値については、チェルノブイリの経験に学ぶことも重要です。例えば、ウクライナでは毎日大量に摂取する水の基準値は1キログラム当たり2ベクレルです。

水は粉ミルクや離乳食にも使用するため、厳しく設定すべきです。また、主食であるパンは1キログラム当たり20ベクレルです。日本でも、主食であるお米や小麦粉にはより厳しく基準を設けるべきです。

詳しくは2012年2月1日のブログ「国の食品の放射能基準改定に意見をだしましょう」をご覧ください >>

 

私たち消費者ができること

業界最大手イオンは、グリーンピースの要請に加え、6,000件の消費者の声を受けて変わりました
スーパーマーケットや小売店、食品製造メーカーが安全な食品を販売する体制を整えるよう、消費者が声をあげて、企業に呼びかけて行きましょう!

放射線調査

 

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