こんにちは、事務局長の佐藤です。


クジラ肉裁判の仙台高裁での第一回公判日が決まりました。

2011年5月24日の午後1時30分です。
仙台もしくは近隣にお住まいのかた、ぜひ傍聴にいらしてください。

 

さて、この公判時には、私たちが内部告発者からの情報をもとに調査捕鯨船にて行われていたクジラ肉の不正を指摘・告発(2008年5月15日)して、逆に逮捕・起訴されてしまってから3年が経過します。

この間、裁判をめぐる状況は大きく変わりました。

当時は、私たちの証拠収集方法が窃盗に当たるのか当たらないのかの議論が大半でした。ある記者からは「私たちジャーナリストが許されないことを、あなたたちに許されるわけがない。窃盗だ。」と糾弾されたことも。

本来記者が追求すべき不正にはやさしく、私たちには厳しい記事がほとんどだったのです。

しかし、最近ではこのクジラ肉裁判に対する記者の問い合わせが、「知る権利」だとか、「不正を暴くためにジャーナリストの取材活動がどこまで認められるのか」という視点からの質問になってきました。これは、この間の顕著かつ重要な変化のひとつです。

 

「目的のために手段は正当化されるのか。この裁判は、古くて新しい問題を社会に投げかけている」(朝日新聞 2010年9月7日)

「それでも注目を集めたのは、鯨を取り巻く事情に加え、不正告発の”正義”が争点となったからだ」 (熊本日日新聞 2010年9月8日)

「この事件はメディアの取材・報道にもかかわる『表現の自由』をめぐり、非政府組織(NGO)による調査活動という、日本ではあまりなじみのない視点を提供した。」 (静岡新聞 2010年9月8日)

「グリーンピースの告発を受けた乗組員らを、検察はほとんど捜査せずに不起訴にした。地裁が不正があったと認めた以上、著しく不公平な処理だったと言えないか」 (伊勢新聞 2010年9月10日)

「裁判は、形式的には違法な行為が、公益目的のNGOによる調査活動では表現の自由としてどこまで正当化されるのかに注目が集まっている。・・・調査捕鯨は国際社会の理解緒得ながら行うべき事業。1審の審理で明らかになった疑念の解明が、控訴審では求められる」 (毎日新聞 2010年9月20日)

 

海外ではウィキリークス、国内では検察の証拠改ざんを暴いた調査報道や数々の公的情報の流出など、「知る権利」や「報道の自由」が議論される機会が増えたことがクジラ肉裁判の意味を考え直す良い機会となっているのでしょう。また、「正義」とはなにかを考える本がベストセラーになっていることも、社会がそのようなトピックを受け入れようとしている現象だと思います。

いずれにしても、不正そのものより、不正を指摘した市民をより厳しく罰するのは「本当の正義」ではありません。

昨年末には、ようやく水産庁がクジラ肉に関連する不正を認め謝罪、さらには職員5名を懲戒処分としました。これにより、私たちの指摘が正しかったことが証明されましたが、私たちはいまだに懲役刑という刑事罰の可能性にさらされています。

不正を指摘した人が、不正を行った人よりも厳しい罰を受けるのが、良い社会につながる構造でしょうか?

グリーンピースは、国際環境保護NGOですが、市民が主役になれる本当の民主的な社会をつくることも、環境をまもることにつながる重要な要素だと考えて活動しています。

これからも、ご支援をよろしくお願いします。

 

事務局長
佐藤潤一

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クジラ肉裁判、仙台高裁期日は5月24日

こんにちは、事務局長の佐藤です。

クジラ肉裁判の仙台高裁での第一回公判日が決まりました。2011年5月24日の午後1時30分です。

仙台もしくは近隣にお住まいのかた、ぜひ傍聴にいらしてください。

さて、この公判時には、私たちが内部告発者からの情報をもとに調査捕鯨船にて行われていたクジラ肉の不正を指摘・告発(2008年5月15日)して、逆に逮捕・起訴されてしまってから3年が経過します。

この間、裁判をめぐる状況は大きく変わりました。

当時は、私たちの証拠収集方法が窃盗に当たるのか当たらないのかの議論が大半でした。ある記者からは「私たちジャーナリストが許されないことを、あなたたちに許されるわけがない。窃盗だ。」と糾弾されたことも。

本来記者が追求すべき不正にはやさしく、私たちには厳しい記事がほとんどだったのです。

しかし、最近ではこのクジラ肉裁判に対する記者の問い合わせが、「知る権利」だとか、「不正を暴くためにジャーナリストの取材活動がどこまで認められるのか」という視点からの質問になってきました。これは、この間の顕著かつ重要な変化のひとつでしょう。

海外ではウィキリークス、国内では検察の証拠改ざんを暴いた調査報道や数々の公的情報の流出など、「知る権利」や「報道の自由」が議論される機会が増えたことがクジラ肉裁判の意味を考え直す良い機会となっているのかもしれません。

また、「正義」の話を描いた本がベストセラーになっていることも、関連しているのかもしれません。

いずれにしても、不正そのものより、不正を指摘した市民をより厳しく罰するのは「本当の正義」ではありません。

昨年末には、ようやく水産庁がクジラ肉に関連する不正を認め謝罪、さらには職員5名を懲戒処分としました。これにより、私たちの指摘が正しかったことが証明されましたが、私たちはいまだに懲役刑という刑事罰の可能性にさらされています。

不正を指摘した人が、不正を行った人よりも厳しい罰を受けるのが、良い社会につながる構造でしょうか?

グリーンピースは、国際環境保護NGOですが、市民が主役になれる本当の民主的な社会をつくることも、環境をまもることにつながる重要な要素だと考えて活動しています。

これからも、ご支援をよろしくお願いします。

事務局長
佐藤潤一