みなさん、ついにトラの楽園の森をまもるためのオンライン署名、開始です!

インドネシアをはじめとしたアジア、ヨーロッパ、アメリカなど多くの国のグリーンピースのウェブサイトで、このオンライン署名『タイガー・マニフェスト』が行われています(↓下の画像をクリックして署名)。

*追記:2014年3月12日から『タイガー・マニフェスト』が日本語版で再登場しました!現在、世界中で56万筆以上が集まっています。




<セレブも賛同!>

ハリウッド俳優のホアキン・フェニックスをはじめとするセレブからも、賛同のコメントをいただいています。

 

<失われゆく、楽園の森>

美しいインドネシアの森は、多様な生きものの楽園となっています。
深い森は、地球の気候を正常にたもち、森に住む人々に恵みをもたらします。

そんな森が今、恐ろしい速さで失われています。
そして、その原因は私たちの日々の生活の中にひそんでいます。

“パーム油”は他の油に比べてなじみがないかもしれませんが、食用から日用品まで様々な用途があるため、スーパーマーケットに並ぶ多くの商品に使われています。

このパーム油が採れるアブラヤシの農園を作るため、犠牲となって破壊されているのがインドネシアの“楽園の森”なのです。

絶滅が危惧されているスマトラトラも、残り約400頭にまで減ってしまいました。
グリーンピースの調べによると、2009年から2011年の間にアブラヤシ農園のために伐採された森のほとんどがスマトラトラの生息地でした。この事からも、パーム油産業がスマトラトラを絶滅の淵へと追い込んでいることがわかります。

タンブリング野生動物自然保護区
© Greenpeace  / Paul Hilton

Tunggal Mitraプランテーション付近の焼けた泥炭地
© Greenpeace / Ulet Ifansasti


<パーム油と森林破壊>

しかし、ほんとうに森が破壊されなければパーム油を作れないのでしょうか?

インドネシアで活動するグリーンピースの森林担当のバスター・マイターはこう言います。
「本来、パーム油のために森を破壊する必要はない。だが、私たちが毎日使う商品を製造する企業は、森を破壊して作られた『問題のあるパーム油』を使うことで、私たちを“加害者”にしているのだ。」

そう、森を破壊しないパーム油生産は可能なのです。

ドゥサンの人々の環境に配慮したアブラヤシ農園の運営
ドゥサンの人々の環境に配慮したアブラヤシ農園の経営© Greenpeace / John Novis

パーム油の原料であるアブラヤシの実
© Greenpeace / John Novis


<アニメーション「パーム油ってなに?」>

パーム油とその問題を、わかりやすく約3分で説明したアニメーションをご覧いただけます。
再生を押すと、動画の右下から字幕(caption)を選べるので、日本語(Japanese)を選択してください。


<今までの成果>

グリーンピースや様々なNGO団体や地元住民などの運動によって、すでに以下のような成果が上がっています。

・ 世界最大のパーム油企業、ウィルマー・インターナショナルが「森林破壊ゼロ」を約束
・ ネスレフェレオ、ユニリーバロレアルなどの世界大手ブランドが「森林破壊ゼロ」を約束
・ パームオイル・イノベーショングループ(POIG:下記参照)が「責任あるパーム油」の基準を設定

 

<世界中の人々の声が必要です>

成果は出てきてはいるものの、インドネシアでの運動だけではこの大規模な森林破壊を止めることはできません。世界中の多くの消費者が「トラの楽園の森を壊して作られた商品はいやだ!」と声をあげることで、巨大企業を動かす力になります。

あなたも『タイガー・マニフェスト』に署名して、“トラの楽園”を守る活動に参加してください(↓下の画像をクリックして署名)。





 
RSPOの役割

「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil、以下RSPO)」は、国際的な基準の設定とステークホルダー(利害関係者)の参加によって、持続可能なパーム油の使用を広げるために2004年に設立されました。参加は自由で多くの生産業者、加工会社、貿易会社、消費財メーカー、小売業者、銀行、NGOなどが参加しています。しかし残念ながら現在の基準は弱く、RSPOは会員の森林破壊を許してしまっているのが現状です。グリーンピースの調査でRSPO会員の生産者の中にも破壊的な生産を行い環境的・社会的を引き起こしていることが明らかにされています(英語レポート:PDF)

しかしRSPOは世界最大の持続可能なパーム油の認証システムであるという利点があります。
したがってグリーンピースは、①RSPO認証をあくまで“基本”として利用し、②自ら「森林破壊ゼロ」方針を導入し、③原料パーム油を完全にトレーサブル(流通過程を生産段階から追跡可能な状態)にし、④これらに野心的な期限を設定し取り組みを進めることを企業に求めています。


パームオイル・イノベーショングループ(POIG)

グリーンピースを含むNGOとパーム油企業がステークホルダーとして参加しています。持続可能なパーム油の生産と利用を促進する目的で設立されたRSPOのさらに先を行き、パーム油生産と森林破壊の因果関係を断ち切ることを目指しています。

さらに詳しい情報はこちら(英語PDF)


パーム油使用品の不買運動

パーム油産業はインドネシアに暮らす多くの人々の生活を支えています。経済発展を促し、雇用を生みます。加えて今日、パーム油はあらゆる商品に使われているため避けるのは困難といえます。そのためグリーンピースの活動は、パーム油を使用した商品の不買を呼びかけるものではありません。代わりに、私たちが毎日使用する商品をつくる企業に「森を壊して作られたパーム油を使わないでください」と働きかけましょう。ネスレグループのパートナーの生産者であるGARのように、すでに「森林破壊ゼロ」のパーム油生産を始めている企業もあります。森林破壊を行わないパーム油生産は可能なのです。

 

◆英語の関連ブログはこちら