NGO共同調査:29道県うち15県が「米の規定を緩和すべき」と回答 ーー着色粒基準の見直しを求めるオンライン署名をスタート

プレスリリース - 2018-11-30
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、生き物共生農業を進める会の3団体は、本日11月30日、米の等級に関わる着色粒(斑点米)の規程に対する、29道県のアンケート回答を公表し(注1)、着色粒規程については29道県中15県が緩和するべき(29道県に、米生産上位25道県を含む)である、と回答していたことを明らかにしました。

今回の調査は、農林水産省が2015年に全国の都道府県に対して非公開で行った「農産物検査(お米)に関するアンケート調査」の結果を、NGO3団体で情報開示依頼等により入手したものです。北海道、新潟県、長野県、広島県、山口県については不開示でした。

また、アンケートの自由記入欄には「着色粒(カメムシ)については、色彩選別機により除去されて販売されているため、農薬の散布回数低減の観点からも緩和すべき」、「着色粒の混入が色彩選別後の歩留まりに大きく影響市内程度の混入限度に見直して欲しい(異物より厳しいのは問題)」など、機械除去可能な着色粒(斑点米)の混入を生産段階で減らすために農薬を散布する不合理性や、食味に影響しない斑点米の混入限度が異物(砂粒など)より厳しくなっている問題などを裏付けるものとなっています。

グリーンピース・ジャパンでは同日、着色粒規定に対する各自治体の意向や生産者を応援し、安全なお米を求める消費者の声を国に届けるオンライン署名「より安全なお米まであと一歩!」を開始しました。(注2)

グリーンピース・ジャパン、食と農業担当の関根彩子は「政府は農産物競争力強化法を受けて2019年8月までに農産物検査制度の検討を行うとしていますが、不合理な規程による農薬(殺虫剤)の過剰散布をなくすべく、見直しを行うべきです。また、米生産は、ミツバチの大量死の原因となり、子どもの脳や神経の発達にも悪影響が懸念されているネオニコチノイド系農薬の最大の用途の一つとなっています。本来必要のない農薬(殺虫剤)を使わず、消費者にも農家にもより安全で負担の少ないお米づくりは実現可能であり、制度はそれを支援するものであるべきです」と署名への参加を呼びかけました。

注1) 農産物検査(お米)に関するアンケート調査の結果
集計データ

注2) オンライン署名「より安全なお米まであと一歩!

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