みなさん、こんにちは。

2011年2月からグリーンピース・ジャパンでボランティアをはじめ、インターンやパートタイムなどを経て、今年9月からジュニア・キャンペーナーとして活動をしています、田中です。どうぞ、よろしくお願いします。

 

先月からスタートしたママうみセミナー。3回目となる今日は、茨城県勝田市にあるお寺、正安寺さんに呼んでいただきました。

ここの正安寺さんは、昨年11月に続き2度目のセミナー開催となり、私もメンバーの一人として参加してきました。

今回来ていただいた方たちも、すでにご自分で何かしら活動されているなど、本当に熱心な方たちでした。茨城県なので魚介類の放射能汚染に関してセンシティブなところですが、それでもご参加いただいたみなさま、とても高い問題意識をお持ちでした。


セミナーの前、参加者にグリーンピースのイメージを聞いたところ、ほとんどの方が名前は知っているけど、福島原発事故以前だと、‘いわゆる過激な団体‘だと思っていたそうです(これは本当によく言われます)。けれども、福島原発事故後の一連のグリーンピースの活動を通じて、消費者の目線で活動をしている団体だと、イメージが良くなったと言ってくれました(本当にうれしいです!)。


セミナーでは5歳児のパパでもある、グリーンピース・ジャパンで海洋生態系を担当している花岡和佳男が講師として、

福島原発事故後、海に広がった放射性物質の行方、そして普段食べるお魚への影響など、放射能汚染などについての最新情報をお伝えするとともに、

どのように社会やスーパーマーケットなどの企業を変えるのか?

自分たちに何ができるのか? などについても話し合いました。

簡単に、消費者のみなさんと一緒に活動し、成功した例を説明したいと思います。

 

<消費者と共に続けてきたスーパーマーケットへの働きかけ>

スーパーで購入する際に目にする魚介類のラベル。

よくみたことがありますか?

「太平洋産」と書かれていても、世界の3分の1は太平洋だし…、「佐賀産など」とかかれると「など」ってなんだよ! とつっこまなきゃならないし…、

「青森県産」だと太平洋側なのか、日本海側なのか分からないし、そもそも青森県沖の海で獲られて魚なのか他の海域で獲られた魚が青森県の港に水揚げされたものなのかも分からないし…。これでは、ラベルを見ても何を基準に購入すればいいのかわからない。ましてや、福島原発事故が起きてからは、産地を意識して購入する方が増えています。

 

グリーンピースが2011年9月に始めたスーパーマーケットへの働きかけでは、放射性物質の自主検査の強化を求めるのと同時に、食品ラベルの改善の働きかけも一緒におこなっていました。

グリーンピースが大手スーパーマーケットとの話し合いを続ける中、消費者側からもスーパーに声を届けるようキャンペーンを始めました。

実際、多くの方が呼びかけに答えて、スーパーの店舗にある「お客様の声」Boxに意見を直接入れたり、お気に入りのスーパーに電話したりしてくれました。

そして、多くの声に耳を傾けてくれたおかげで、

「6000人のお客様の声で変わりました」

 と昨年11月、業界最大手のイオンは放射性物質「ゼロ」目標の取り組みを開始しました。


グリーンピースは大手スーパーに対して、自社努力に限定せず政府に対応を要請することで消費者の不安を払しょくするよう働きかけも行っていましたが、これを受ける形でイオンや業界第2位のイトーヨーカドーなどのスーパーは、業界団体「日本チェーンストア協会」を通じて、日本政府に対して水揚げ港での放射性物質検査の強化を要請してくれました。この結果、水揚げ港での放射性物質検査の規模は拡大され、高濃度に汚染された魚介類を市場に流される前に排除する枠組みが、まだ荒い状態ではありますが、少しずつできてきています。


漁獲海域のラベル表示に関しては、グリーンピースは事故後から政府に対して、実際に魚が獲られた海がどこなのかを消費者に知らせるよう、強く求めてきました。

この要請に応えるように、政府は2011年10月、東日本太平洋沖を7つに分けてそれぞれに名前をつけ、その水域名を使って実際に魚が獲られた海域を消費者に知らせるよう、関係業界に通知を出しました。

多くの「消費者の声」を受け取ったイオンやイトーヨーカドーなどはいち早くこの通知に従い、後にダイエーや西友などの各社も、この通知に対応するようになりました。

店舗にもよりますが、売り場には海域名がわかる「水産表示ボード」が掲出され、漁獲海域が確認できる魚介類に関しては、商品に貼られてあるラベルにこの海域名が表示されるようになりました。

放射能検査の結果の表示や、漁獲海域の表示など、「消費者が選んで購入できる」 これが一番大切だと思いました。そのためにはまず売り場に十分な商品情報が提供されている必要があり、そのためには大手スーパーと政府が手を組んで、放射性物質調査の強化と、生産履歴がわかる流通システムの構築に取り組む必要があると、講演を通じて強く感じました。

<セミナーに参加した方々の声>

――茨城県在住 30代 女性

「3人の子どもがいます。食品の放射能汚染の中でも、魚が1番気になっていました。原発事故のあと、子どもに魚はほとんど食べさせてこなかったのですが今日のセミナーを聞いて全ての魚から数値が出ているわけではないことも分かりました。子供に魚を食べさせられるように、もっと勉強しようと思います。」

 

 

――茨城県在住 30代 女性

「昨年に引き続き、2度目の参加です。今日のセミナーで「100回以上企業へ投書した」という花岡さんのお話を聞き、企業に対しても粘り強く声を届け続けなければ、と改めて気合が入りました。」

 

――土浦市在住 男性

放射能の問題は、とても気になっていて、特に魚など茨城、千葉産が心配で、産地を見てなるべく遠くのものを購入するようになっていました。本当は、地産地消を心掛けていたが、残念なことに敬遠するようになりました。このようなセミナーに参加する方は、ある程度意識を持った方なので、そうではない、セミナーに来ないような人たちに伝えるにはどうすればいいのかを、今後は考えるようにしたいです。

――茨城県那珂市在住 女性

魚を食べ続けたいし、魚を食べる文化を守りたいです。花岡さんの話を聞いて、特別な活動家でなくても、消費者が社会を変えられるんだと気づきました。
・彼女は「東電と政府の責任追及なしには、被害者が救済されません」と、告訴人も募集していました。詳しくはこちら

――東海村在住 女性

海産物が好きなので、海のものについて正しい知識を付けたいと思い参加しました。いまは、魚介類を購入するのに躊躇してしまい、国レベルで注意喚起をすべきなのに、普通になんでも販売しているので、違和感をかんじます。セミナーに参加して、声を届けることを怠らず、声を上げ続けなければならないと、より一層感じました。
・彼女は東海第2原発の再稼働中止を求める請願を3月の議会に提出したそうです。詳しくはこちらへ。

<私たちに何ができるのか?>

★声を届けよう

「食品の放射性物質検査を強化してください」「いつどこで誰が獲った魚なのか、魚介類の生産履歴を公表してください」など、あなたの考えを「お客さまの声」用紙に記入して、「お客さまの声」ボックスに投函してください。用紙と投函ボックスはお店に設置されています。設置されていない場合、このフォームに記入して店長やお客様サービスご担当者にお渡しください 。

『ママうみ実行委員会』にメンバー登録

スーパーマーケットや回転寿司店に魚介類の安全性に関する取組を質問してください。調査結果はグリーンピースが集計してウェブサイトなどで公開します。

★寄付で調査を支えてください。

グリーンピースが行う調査やその他の活動は、全て市民のみなさまの寄付で行っています。一人一人のご寄付が、安心な食へとつながります。