第14回目調査
千葉県の船形港、勝山港、鴨川港、岩井港で行った海洋調査


 

調査結果

千葉県の4つの港から合計7サンプルの魚介類を採取し、第三者機関で核種分析を行いました。
すべてのサンプルから、放射性セシウムは検出されませんでした。
検出限界値はサンプルごとに異なりますが、最も大きい値で、1キログラムあたり3.4ベクレル(セシウム134+セシウム137)です。


※ゲルマニウム半導体検出器による測定
 

調査の背景

 

小さな子どもを持つ家庭を中心に魚介類への不安は根強く残り、「千葉県産の魚は普通に売られているけど大丈夫なの?」という声がグリーンピースに寄せられています。

そこで、魚と海と私たちをつないでくれる漁業・水産業をサステイナブル(持続可能)にするための『ママうみ』プロジェクトの一環として、千葉県の水産関係者の方と協力して、県内の多様な環境に位置する漁港で水揚げされる魚介類を調査しました。
 

調査日程

2012年10月8、9日

調査場所・範囲

千葉県:船形港、勝山港、鴨川港、岩井港
 

グリーンピースの提案

 

現在、政府や自治体によるスクリーニング検査は「主要漁港で週に一度」程度でしか行われておらず、汚染された魚の流通を完全に防ぐことは困難です。

また、検査結果が消費者に分かりやすく公表されていないことから、消費者は魚を食べることに対して漠然とした不安を抱えています。

さらに、牛肉では実現しているトレーサビリティ体制(いつ、どこで飼育され、どのような経路で流通したかを追跡することができる仕組み)が魚介類で確立されていないことが、消費者の不安を払しょくできないことに拍車をかけています。

消費者の不安を解消することが、漁業復興の実現に必要不可欠です。
そこで、グリーンピースは下記3つの取り組みを提案します。

  1. 汚染された魚介類の流通を防ぐ
    魚介類が水揚げされる漁港は流通のスタートです。
    すべての漁港でより多くの検査が実施されることが必要です。
  2. 魚介類のトレーサビリティー体制をつくる
    スーパーや回転寿司などに並ぶ魚介類が、いつ、どこで、誰によって獲られたか、そしていつ、誰が、どのように流通したかを追跡できる流通システムをつくる必要があります。
  3. 安心して買い物ができるような情報を提供し、風評被害も防ぐ
    「1キログラムあたり○○ベクレル」という具体的な数値に加え、実際にその魚が獲られた海がどこなのかが表示されることで、消費者は自身の基準と照らし合わせて魚を選ぶことができます。

もちろん、二度と同じ被害を生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。
 

グリーンピースの取り組み

 

© Jeremy Sutton-Hibbert/Greenpeace

 

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