第9回目調査
千葉県の千倉港、船形港、金谷港、銚子港で行った海洋調査

調査結果まとめ

今回の調査では、新潟県阿賀野川河口付近および山形県最上川河口付近を中心に魚介類をサンプリングしましたが、川を遡上するカワマス(サクラマス)や、河口周辺に生息する海藻類を含め、どのサンプルからも放射性セシウムは検出されませんでした(※)。
この結果は、新潟県が発表する水産物の放射性物質の検査結果とも一致しています。

※いずれの測定値も検出限界値未満でした。

ただ、ヤマメやウグイなどの淡水魚からセシウムが検出されているケースもあり、今後も注意が必要です。

 

調査の背景

2011年にグリーンピースが行った福島県および近県での海洋調査では、多くの魚や海藻などから放射性セシウムを検出しました。

東京電力福島第一原子力発電所事故から約14か月が過ぎ、いまでも大気や河川などを通じて拡散される放射性物質は、東京湾をはじめとする各地の河口で、大学などの調査により相次いで検出されています。

小さな子どもを持つ家庭を中心に、魚介類への不安は根強く残っています。
「日本海の魚は大丈夫かな…」この声を受けてグリーンピースは、放射性物質が沈着する越後山脈や奥羽山脈を水源とする阿賀野川や最上川の河口で、生態系への汚染の実態を調査すべく魚介類をサンプリングしました。

調査結果詳細

検査方法
第三者機関で、ゲルマニウム半導体検出器を用いて、セシウム134、セシウム137について検査

山形県


単位:ベクレル/キログラム

新潟県



単位:ベクレル/キログラム

結論

東京電力福島第一原子力発電所事故以来、未だに魚介類の検査体制も情報も大きく不足しており、これが消費者に根強い不安を抱かせ、水産業の復興を大きく妨げています。

東日本の太平洋側には、既に水揚げされた魚介類の検査を始めている漁港が複数あります。

国はこの取り組みをサポートし、同時にまだ検査機能が整えられていない漁港には検査体制の整備を一層進め、また消費者が自主的に購入基準を持ち選択購入できるよう、調査結果を分かりやすい形で公開することが急がれます。

もちろん、二度と同じ被害を生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。

 

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