活動報告の投稿-原発
原発に関する投稿は、以下の一覧からご覧いただけます。
144件の投稿
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「格差ある被害 原発事故と女性・子ども」
本報告書は、日本の文化的・社会的・経済的な状況を背景とし、特に弱い立場に置かれる女性や子どもに東京…『脱原発をチャンスにーードイツ原発立地自治体のエネルギー革命(ヴェンデ)』
本報告書は、原発閉鎖が決まったドイツの自治体の状況を取材し、まとめたものです。…グリーンピース新報告書、日本3メーカー製造の原発部品に強度不足の疑い ーー再稼動ではなく現物の検査を
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日13日、強度不足の疑いがある原発の部品についての報告書『⽇本の原…
『循環する放射能:東京電力福島第一原発事故の生態系への影響』
本報告書は、東京電力福島第一原発事故やチェルノブイリで放射線の影響を受けた地域での独立の科学調査の…第26回目放射線調査
東京電力福島第一原発事故により拡散した放射性物質の汚染状況調査報告 グリーンピースでは、東京電力福島第一原発事…
パブコメだそう!美浜3号とめるため。グリーンピースも出しました。
こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。(パブコメの提出方法はブログの下部にあります!) 8月3日、原子力規制委員会は、関西電力美浜原発3号機の新規制基準の適合審査書案を了承し、8月4日からパブリックコメントを開始しました。<8月25日追記>グリーンピースも出しました。記事の末尾を御覧ください。適合審査書案の了承は再稼働のための「事実上の合格証」とされています。けれど、わたしは、原子力規制委員会は「規制者として不合格」と言いたいです。なぜならば、安全を再優先しての審査になっていないからです。自ら認める「能力不足」田中俊一原子力規制委員長は、7月20日の記者会見で「5人だけの委員ですから、それで全ての分野を全部、そういう細かいところまでカバーするというのは、はっきり申し上げて、ああいう細かい話になると、十分に理解するというわけにはいかないというところはありますので、そういうことを申されるのであれば、能力不足だったということです」と言っています。くわしくはこちらこれは、関西電力大飯原発の地震の最大の揺れの想定が過小評価されているという島崎前原子力規制委員長代理の指摘を巡る対応について、語ったものです。能力不足であれば、外部から能力を補うなりして十分に理解して、そして審査をすすめるべきではないでしょうか。「ああいう細かい話」といいますが、最大の揺れの想定は、それがいいかげんであれば、動かすべきでない原発を動かしたり、対策が不十分のまま再稼働して過酷事故につながる可能性だってあるのです。ここで、島崎前原子力規制委員長代理の指摘をかいつまんでご説明したいと思います!「最大の揺れ、過小評価」 (イラスト・高木章次さん)地震の揺れの想定にはいくつかの計算方法があるのですが、大飯原発で採用されている「入倉・三宅式」を使うと過小評価となるというもの。そのため、島崎さんは、「武村式」で再計算してほしいと原子力規制委員会に伝えました。これを受けて、原子力規制庁が再計算をしました。そうしたら、なんと関西電力の計算した値よりも、小さくなってしまいました。(下図の左から2本目のグラフ参照) (この図は、FoEの満田さんの図をもとに作成しました) 関西電力の値関電が、入倉・三宅式を使って計算した最大の揺れが、596ガルでした(ガルは、揺れの大きさを加速度で示したもの)。それに、地震パターンが違うともうちょっと大きくなるかもしれない…ということなども考える「不確かさの考慮」も入れて、856ガルを最大の揺れと想定しています。(図の一番左のグラフ)この揺れまでなら、原発は耐えられる、という値です。規制庁の値今回、島崎さんの警告を受けて、規制庁は武村式を使って再計算しました。(図の左から二番目のグラフ)武村式を使っても644ガル。計算方法は違うけれど関電が最大の揺れとして想定した856ガルを下回るので、問題なし、と結論づけました。また、規制庁は、今回、入倉・三宅式を使っての計算もしたのですが、関電の値より小さくなりました。(図の左から三番目のグラフ)関電の値を元にした武村式での推定値この計算結果を見た島崎さんは、規制庁の入倉・三宅式の値と武村式の値が1.8倍であることを指摘しました。そして、関電の入倉・三宅式の値を1.8倍すると、1080ガルとなって、関電の想定を上回る、と警告しました。これに不確かさの考慮も入れると、もっと大きくなります(図の一番右のグラフ)。しかし、これらを指摘されても、原子力規制委員会は、「入倉・三宅式を使わないことにする根拠はない」として、最大の揺れの想定を見直す必要なしと結論を出してしまいました。 関電の計算の詳細がわからない?規制庁なぜ、規制庁の入倉・三宅式の計算結果が、関電が算出した596ガルより大幅に下回ったのか。規制庁は関電の設定の詳細がわからなかったと言っています。しかし、それでは、わからないものを承認したことになります。それでもやり直さない規制委員会そして、原子力規制委員会は、「能力不足」で、「もともとムリなことをやらせた」と認めながら、正しく再計算することもせずに、「見直す必要なし」と結論を出してしまいました。規制者としてあるまじきことです。原子力規制庁がムリであれば、外部の専門家に依頼して再計算してもらうこともできるはずです。 美浜原発3号機も過小評価この問題は、大飯原発だけの問題ではありません。たとえば、美浜原発の場合、武村式を使って計算し直すと、現在の想定の約2倍の大きさになります。つまり、原発はその揺れに耐えることができません。それなのに、8月3日、原子力規制委員会は、この問題を検討することもなく、美浜原発3号機は新規制基準に適合する、としてしまいました。美浜原発3号機は、今年の12月で運転期間40年となる老朽原発。やはり老朽原発だった東京電力福島原発の事故の反省から、「原発は40年で廃炉」という原則が法律になったのに、関西電力は”原子力規制委員会が認めれば、1回に限り、20年の運転延長ができる”という例外規定を使って、延長運転を申請しています。美浜原発3号機は、法律により、今年の11月の期限までに延長が認可されなければ廃炉になることが決まっています。新規制基準への適合は、延長認可の前提です。延長認可の期限まで、あと、3カ月と少し。だから、少しでも時間のかかる今回のような「見直し」は避けたかった、というのが真相ではないでしょうか。 原発は危険ですが、老朽化するともっと危険です。そもそも設計が古い(1970年代の設計)金属やコンクリートが劣化して壊れやすくなる検査できるのは一部分(人間が入れないところ、見れないところあり)そんなわけもあり、世界で閉鎖した原発の平均寿命は24.7年です(くわしくはこちらのブログで)。パブコメだそう…