国際環境NGOグリーンピース(注1)は中央ヨーロッパ時間4月18日、欧州委員会に対し、EUの持続可能な投資先リスト「タクソノミー」に化石燃料のガス(注2)と原子力を含める決定を無効とするよう求める訴訟を、欧州司法裁判所に提起しました。

タクソノミーをめぐっては、グリーンピースは2022年9月9日、欧州委員会にガスと原子力をタクソノミーに含める決定を見直すよう求めましたが(注2)、欧州委員会は2023年2月8日にこの要請を却下しました。これを受けて、グリーンピースは今回、欧州委員会の2023年2月の決定を取り消し、EUタクソノミーにガスと原子力を含めることを無効とするよう求め欧州司法裁判所に提訴しました。

グリーンピース・ルクセンブルクは同日、裁判所前で、ガスと原子力発電の「グリーンウォッシュ」に対して抗議を表明。抗議行動には、ガスの採掘が土壌沈下を引き起こし、近い将来さらにガスを採掘する新たな計画があるイタリアの活動家や、フランスの原子力発電所の下流に位置するドイツの活動家も参加しました。

以上


(注1)ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、中・東欧のグリーンピース事務所とグリーンピース欧州ユニット

(注2)一般に「天然ガス」と呼称されますが、グリーンピースでは「天然」という表現が化石燃料という実体と乖離していると考え、この表記を使用していません


(注3)タクソノミーをめぐっては、このほかに、ClientEarth、WWF European Policy Office、BUND (Friends of the Earth Germany)、Transport and Environmentが、ガスが含まれていることに異議を唱えている