新型コロナウィルス感染症の拡大によって、外出自粛や在宅ワーク、遠隔地での勤務などが増えおうち時間が増えました。暑い日はエアコンを使ったり、便利な家電製品などを使うのがあたり前になっていますが、資源は無限ではありません。日本の電力消費量は、1970年代からずっと増え続けています。
電気を供給するために日本では、温暖化対策として原発再稼働が叫ばれています。二酸化炭素(CO2) 削減を原発に頼ることで、CO2排出ゼロのためには欠かせない、省エネの促進と再生可能エネルギーの拡大がますます遅れることになってしまいます。日々の生活の中でできる節電を通して、私たちが使っているエネルギーと気候変動のつながりについて考えてみませんか?

冷蔵庫の節電方法

冷蔵庫は1日中、1年中使える家電製品の一つです。 実は、冷蔵庫の選び方、置き方、収納、使い方など、あらゆる場面で、簡単ですぐにできる省エネのコツがあります。

すぐにできること

  • 冷蔵庫周辺の温度が高すぎると消費電力が大きくなるので、直射日光の当たる場所に置かないでください。
  • 冷蔵庫の周囲には10cm以上の換気・放熱スペースを確保してください。放熱が悪いと運転効率に影響します。
  • 食料の貯蔵が多すぎると、冷蔵庫の空調循環に影響を及ぼし、消費電力が4〜5%増加します。食糧の購入は適度に行いましょう。
  • 温かいものは冷めたら冷蔵庫に入れてください。直接入れると冷蔵庫の温度が上がり、消費電力が増えます。
  • 冷蔵庫はあまり頻繁に開け閉めしないでください。温度を保つためにコンプレッサーを多く稼働させる必要があるので、冷蔵庫の中の食品はすぐに使えるように分類しておくとよいでしょう。

今後、将来的に

  • 冷蔵庫は大きすぎても小さすぎてもよくないので、家族に合ったサイズを選びましょう。
  • 冷蔵庫を交換する際は、各都道府県などの省エネ家電の補助金を活用し、省エネに対応した商品を購入してください。

エアコンの省エネ方法

冷蔵庫が家庭で常に使う電力消費者なら、エアコンは期間限定の電力消費者。

エアコンの送風で省エネ・節約!2つのコツとは?

すぐにできること

  • 冷却効率を高めるため、2週間に1度フィルターを清掃してください。
  • エアコンを26〜28度に設定しましょう。エアコンの温度設定が1度上がるごとに6%の節電になります。
  • エアコンと一緒に扇風機を使うことで空気が循環し冷却効率がよくなります。
  • 寝る前におやすみモードを設定すると、弱めの優しい風が吹き、室温を適温に保ってくれるので節電にもなります。
  • エアコンは作動時に最もエネルギーを消費します。節電のために頻繁にスイッチを入れたり切ったりしないようにしましょう。

今後、将来的に

  • エアコンを買い換える場合、スペースの大きさや日差しの程度に応じて、対応するワット数を選択してください
  • 冷房期間消費電力量(CSPF)の数値が高いほど省エネになります。
  • エアコンは直射日光を避け、床から75cm以上の高さに設置しましょう(温風と冷風の対流を良くするため)。

建物の冷却方法

地球温暖化による気候変動が顕著になったことで、夏の到来が早まり、以前よりも猛暑日が世界中で増えています。

熱中症で体調を崩してしまわないように、エアコンをつけて涼むしか方法はないのでしょうか。 実は、以下のようなちょっとした工夫をすることで、熱源を隔離し、部屋の基本温度を下げることができ、自然と節電につながるのです!

すぐにできること

  • 屋上庭園を作ったり、スプリンクラーを活用したりして熱を下げましょう。
  • 建物の外壁に植樹やつる性植物を植えると、直射日光を遮り、日陰ができるので断熱効果になります。
  • 窓には遮熱ガラスと遮熱紙を使用した断熱窓にすることで断熱効果があります。
  • 熱の吸収を抑えるため、明るい色のカーテンを使用しましょう。
  • 屋外の遮光効果は実際には屋内よりも優れており、サンバイザーやブラインドを窓の外に設置することで、冷房対策になります。

今後、将来的に

家や建物の建築中や、将来の大規模改修時に、熱伝導を抑えるために壁を厚くしたり、断熱材を使用したりすることも省エネに効果的です。

照明の節電方法

照明は家の中であまり目立たないアイテムですが、実は家庭の消費電力の約10%を占めており、工夫次第でまだまだ省エネの余地があります。

  • すべての照明器具をLEDに交換すると、従来の照明に比べて50%の電気を節電できます。
  • 照明器具を定期的に拭き掃除すると、光源効率を上げられます。
  • 早寝することで電気も使わずお金の節約にも。朝は自然光で心も身体もリフレッシュ!
  • こまめに必要のない電気は消しましょう。

電力を節約する他の方法

  • 炊飯前に30分浸水することで、炊飯速度を早め、それにより消費電力を低減することができます。
  • 電源を入れていなくてもコンセントを繋いでいるだけで家庭の電力消費の7.4%を占めています。
  • 一定量の洗濯物が溜まってから洗うと一回の洗濯で省エネになります。
  • エネルギーを大量消費する、古くて効率の悪い家電製品を買い換えましょう。

家庭での節電の方法について、みなさんが家庭でどのように節電を始めればいいか、お分かりいただけたと思います。

私たちが生活のあらゆる場面で「電気を消す」「省エネ・低炭素」を習慣づけることは、電気代を抑えるだけでなく、地球の負担も減らすことにつながります。

しかし、意外と知られていないのが、日本の電力消費量は、1970年代からずっと増え続けているということです。今も昔も電力を消費する最大の部門は産業部門です。

電気の消費の約7割を産業、業務、運輸が占めています。

世界を見渡すと、自分たちが使っているエアコンや冷蔵庫の節電よりも、企業による二酸化炭素削減やエネルギー転換の方が地球温暖化を抑えるために効果的です。

グリーンピースがめざすのは、「原発ゼロ・自然エネルギー100%」

日本では、電気を供給するために、化石燃料が使われ、原発を再稼働させる案も出ています。

数万年もの長期にわたって厳重な管理が要求される核廃棄物を増やし続ける原発はいうまでもなく、気候変動に悪影響を及ぼす石炭や天然ガス、石油といった化石燃料に頼るエネルギーから、いまこそ卒業し、自然エネルギーへ転換していかなければいけないと思いませんか?

グリーンピースは、原発をやめ、化石燃料への依存をやめ、環境負荷が低く、より安全な再生可能エネルギーへの転換を実現するために、世界中の政府と企業にはたらきかけを続けています。

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