第2回目調査

調査の目的

 

日程

2011年4月4日~4月10日

調査場所・範囲

福島第一原子力発電所の北西地域(避難指示地域を除く)230地点

調査対象と内容

 

調査結果

第1回、第2回の調査結果から、広い範囲で放射性セシウムによる汚染の可能性が判明しましたが、放射線量が高い地域でも30Km圏外ということで、住民は普段通りの生活を続けていました。

たとえば、原発から約60Km離れた福島市や郡山市などでは、チェルノブイリ原発事故後に周辺地域で避難指示の基準となった年間積算線量5ミリシーベルトを数週間で超える放射線量が検出されました。(福島市内の公園:毎時4マイクロシーベルト、郡山市内の神社:毎時2.8マイクロシーベルトなど)

また、福島市、郡山市、南相馬市の農家の方のご協力によって採取した野菜や、福島市内の直売所で購入した野菜を測定した結果、1キロ当たり16000ベクレルから150000ベクレルと、基準値を上回る放射線量を検出しています。

このような状況であるにも関わらず、原発周辺から避難している方が滞在する避難所(山形県米沢市)でグリーンピースが行ったアンケート調査では、83.3%の方が政府や自治体から伝えられる放射能汚染の情報が十分でないと回答しました。

そこでグリーンピースは2011年4月11日調査報告記者会見を開くとともに、住民の安全と健康を確保するため、菅総理大臣に避難地域拡大などの早急な対応を求める要望書を提出しました。

この記者会見直後、枝野官房長官が福島第一原発事故の避難指示地域拡大について、これまでのように距離でなく地形、風向き、放射線量などを考慮して地域ごとに指示を出す方針を明らかにしています。

グリーンピースは、今後も放射線モニタリングを続け、被害を受けた住民が東京電力に対して損害の補償を求める際に参考となる証拠を集めていく予定です。


記者会見で発表した資料の翻訳に誤りがありました。お詫びして、下記のように訂正いたします。
サンプル名: V6-20110406 (spring onion1および2)
測定場所: <誤>福島市郊外の小規模の野菜畑 →<正>福島市の直売所
サンプル種類:<誤>ニラ → <正>ネギ

 

調査で使用した測定機材

 


調査チームメンバー紹介


リアナ・トゥール(オランダ出身、チームリーダー)
グリーンピース・インターナショナル エネルギー問題担当・放射線専門家
大学で物理化学の博士課程を終えた後、原子力問題担当を7年務める。
放射能の安全性も専門的に学び、チェルノブイリの影響が大きかった地域や、イラク、ブラジルなど各国で、長年にわたり放射線のエキスパートとして現場の活動に携わっている。


トーマス・ブリュアー(ドイツ出身)
グリーンピース・ドイツ 気候変動・エネルギー部門チームリーダー
チェルノブイリに関わる地域では2度のリサーチ活動を指揮。
「私たちが行う調査は、自身にもリスクが無いとは言えませんが、結果をいかに活用して日本の方々のためになることができるか、緊急避難に関わる情報でもあり、長期的にも大きな力添えになるだろうと考えています。」と語る。


ヤン・ヴァンダ・プッタ (ベルギー出身)
オランダ、デルフト工科大学を卒業し、ロシア、ウクライナ、スペイン、ベルギー、フランスで放射能汚染の環境調査に参加した豊富な経験を持つ放射線の専門家


宮地大祐(広島県出身)
グリーンピースが世界の有志を募って核実験場に船を出して反対活動を行っていることを知り、その行動力と使命感に共感。
2007年よりグリーンピースジャパンにて活動を開始。

他4名


photos © Christian Åslund / Greenpeace

 

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