2024年10月27日(日)は、第50回衆議院議員選挙の投開票日です。

気候危機において、効果的な対策がしっかりと進められるためにも、信頼できる候補者などに一票を投じるのは大事なことです。ただ自分が推したい候補者について「あまり話題にされていない……」と感じることもあるかもしれません。特定の候補者の応援の輪をさらに広げていきたい!という時は、「自分が投票する」以外にも「候補者の応援活動に参加する」という手段があります。どのように参加できるか、解説します。

*この記事は、特定の候補者や政党を応援することを意図したものではありません。

第50回衆議院議員選挙の投開票日は、2024年10月27日

2024年9月の自民党総裁選を終え、石破首相は、10月27日(日)投開票の日程で衆議院議員選挙(以下、衆院選)を行うと表明しました。10月9日(水)に衆議院が解散され、10月15日(火)が公示日です。

前回の衆院選は、3年前の2021年10月。

そもそも「選挙」は、自分が住んでいる市区町村の市長や区長を選ぶものから、今回の衆院選のように国会議員を選ぶものまでさまざまにあり、全国各地で頻繁に行われています。

現職の方が任期を満了したり、欠員が出たり、今回のように議会が解散されたりすると、選挙が行われます。

今回行われる衆院選では衆議院議員を全員選ぶため、「総選挙」と呼ばれることもあります。衆議院議員の定数は465人。うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出議員です。衆院選では、「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」が、同じ投票日に行われますが、それぞれしくみが少しだけ異なります。

しくみ投票用紙への記入内容結果
小選挙区制1つの「選挙区」ごとに1名が選ばれる
※選挙区:議員選出の単位として区分された地域
候補者の名前票が最も多く集まった候補者が当選人となる
比例代表制全国を11のブロックに分け、ブロックごとに立候補する政党・政治団体が候補者の名簿を作る政党名・政治団体名各政党の得票率に応じて、議席が配分される

各社報道によれば、今回の選挙の全国での立候補者は1,300人を超えると予想されています(10月14日時点)。あなたの選挙区では、何人の方が立候補しているでしょうか。

なお、既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい者かどうかを国民が審査する制度「国民審査」も衆院選と同日に行われます。投票所では、辞めさせたい裁判官の欄に×印を記入し、信任したい場合は空欄にします。今回から初めて、海外在住の有権者も投票が可能になります。

気候危機の視点で選挙を考える

気候変動によってすでに起こっている影響や被害に対応したり、今後起こりうる影響を防いだりするためには、市区町村、都道府県、そして国レベルでの対応が必要です。

今回の選挙で選ばれる国会議員は、国の法律や予算を決める国会に出席し、国の今後の動きに大きな影響力を持ちます。また、国会議員は、あなたの代弁者でもあります。

世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えるなど、気候危機対策にしっかりと取り組んでいくためには、気候危機の深刻さを念頭に国の仕事を進めていく国会議員が必要不可欠です。

だからこそ、今回の選挙は気候危機における大事なチャンスで、あなたやあなたの周りの人が気候危機の視点から選挙を考え、行動することはとても重要です。

選挙で私たちができることは、投票だけじゃない

選挙が行われる際、投票にいくことはもちろんですが、ほかにもできることがあります。

それは、自分が推したいと思った候補者の応援活動をすることです。

各政党は、それぞれ立候補した議員を当選させるために、支援体制を整えていきます。
票を多く獲得していくためにさまざまな戦略を練って実行していきますが、その中で、自らが投票するだけでなく、投票してくれる人を増やすための活動をするボランティアの人々の力は欠かせません。

裏を返せば、私たちは応援したい候補者がいれば、投票以外に応援する手段があるということです。

ここでは、候補者を応援する選挙ボランティアについて、ご紹介します。

選挙ボランティアの参加方法・内容

  1. 推したい候補者を選ぶ:
    まずは、各立候補者や政党の政策を読んだり、実際に演説の場に出向いたりして、応援したい候補者を決めます。
  2. ボランティア窓口へ問い合わせる:
    候補者のウェブサイトやSNSアカウントをチェックして、ボランティアを募集していないか確認してみましょう。専用のフォームや連絡先があればそこへ連絡し、もし無くても、事務所の住所や電話番号などの記載があることがほとんどですので、そこへ連絡してみましょう。

    もしも、身の回りにすでに選挙ボランティアに参加したり、候補者と縁がある方がいれば、その方にまずは連絡してみるのもおすすめです。
  3. ボランティアへ参加する:
    担当の方に案内された活動に、参加してみましょう。

【主なボランティア内容

  • ポスター貼り
  • 証紙貼り
  • チラシ配り
  • はがきの宛名がきや宛名シールはり
  • 電話かけ 
  • ポスティング

このほかにも、SNSでの発信のサポート、現場での撮影のサポートなど、候補者によっては、より幅広い内容に参加できる可能性もあります。

候補者の事務所で行う作業も多いですが、ポスティングなど、自分が住んでいる家の周りでできることもあります(筆者の場合、約100枚のチラシのポスティングを大体20〜30分で行いました)。

ボランティアに参加することは、同じ候補者の”推し仲間”に出会えるチャンスでもあります。つまり、その候補者や政党が、気候変動対策についてきちんと公約に盛り込んでいれば、今後その話題を話しやすい相手でもあります。

【よくある質問】

Q:問い合わせたけど返事がない……。参加は難しい?

A:選挙準備はやることが多く、事務局は大忙しです。返事がない場合は問い合わせの対応ができていないだけで、実際には人手を必要としていることもあります。まずは選挙事務所に電話してみましょう。また、その候補者が演説している場所や、集会イベントなどに出向き、現場にいるスタッフの方に、ぜひボランティアに参加したいと声をかけてみましょう。

Q:自分の選挙区以外でボランティアするのもあり?

A:結論としては、ありです。「ぜひこの人には勝って欲しい!」と思う”推し”が自分とは別の選挙区で立候補している場合、応援しにいくことも可能です。特に決まっていない場合は、まずは自分の選挙区から調べてみましょう。

Q:選挙でやってはいけないことがあると思いますが、何がダメなのかよくわかりません…。

A:公職選挙法、というものがあり、それに違反しないことが鉄則です。やってはいけないことについては、ほとんどの場合、ボランティアをする際に事務局の方や担当の方が説明してくれます。迷ったらその都度確認しましょう。以下は、主なポイントです。

  • 公示日や告示日より前に「選挙運動」をしてはいけない(公職選挙法では「選挙運動」と「政治活動」を理論的に明確に区別して定義づけています)
  • 買収してはいけない
  • ​​特定の候補者に投票してもらうことを目的に、戸別訪問をしてはいけない
  • 電子メールで特定の候補者への投票を依頼してはいけない(ただし候補者本人は一定の制限のもと送信可能)
  • 投票日当日に、特定の候補者への投票をSNSや電話等で依頼してはいけない

など、ほかにもいくつか注意する点があるので、気になったらボランティア窓口担当の方に聞いてみたり、自分でも調べてみたりしましょう。

※注意:18歳未満の方は投票ができないことに加え、特定の候補者への投票依頼もできません。(「投票に行こう」など、候補者や政党を特定しない、投票そのものを呼びかけることはOK)

選挙ボランティアをしてみたい!したことがある!という方は

グリーンピースが、特定の政党や特定の議員・候補者を支援することはありません。

しかし、「気候危機をなんとかしたければ、選挙にしっかり向き合わなければ」と立ち上がり、行動する方が一人でも多く増えることはとても重要だと考えています。

選挙事務所に連絡する前に確認したいことがある方や、過去にボランティアをしたことがあり、他の方に共有したい学びがある方は、ぜひ下記のフォームでお知らせいただけませんか?

▼選挙ボランティア活動お問い合わせ&学び共有フォーム

あなたの今回の行動が、次の「行動したい人」の助けになるかもしれません。
投票する、のその先へ、一歩踏み出してみませんか?