釜山国際展示場の記者会見室で分析結果を発表するCIELメンバー(2024年11月27日、釜山)

韓国・釜山で開催中の国際プラスチック条約策定をめぐる政府間交渉委員会第5回会合(INC5)で、米非営利団体・国際環境法センター(CIEL)は11月27日、今回のINC5に参加登録した石油化学産業のロビイストに関する分析を発表しました。INC5には、2024年4月の前会合(注2)より24人多い、220人のロビイストが参加していることが明らかになりました(注1)。

<CIELの分析によりわかったこと>

  • 化石燃料と化学産業のロビイスト220人がINC5に登録し、INC4での登録ロビイスト196人より24人増加した
  • 化石燃料と化学産業のロビイストの数は、ホスト国である韓国の代表団の合計140人を大きく上回り、欧州連合(EU)代表団の合計191人も上回っている
  • 中国、ドミニカ共和国、エジプト、フィンランド、イラン、カザフスタン、マレーシアなどの各国代表団内にも合計16人のロビイストの参加が確認された
  • 化石燃料と化学産業のロビイストの数は、「効果的なプラスチック条約のための科学者連合(注3)」登録人数の3倍である
  • 化石燃料と化学産業のロビイストのなかで代表的な企業は、ダウ(5人)とエクソンモービル(4人)だった

この分析についての国際環境NGOグリーンピースのコメントは以下の通りです。

グリーンピース・アメリカ グローバル・プラスチックキャンペーンリード、グラハム・フォーブス(グリーンピース国際プラスチック条約代表団代表)

「この分析は、石油化学業界が利益を守るために地球を犠牲にしようとする姿を明らかにするものです。小数の加盟国に支援を受けている化石燃料や石油化学業界のロビイストは、この重要な交渉の結果を左右するべきではありません。加盟国は、石油化学業界の利益よりも人間の健康と住みやすい地球環境を優先して、今週末までに国際プラスチック条約を締結しなければならなりません。 世界の大多数は、プラスチックの生産を削減し、使い捨てプラスチックを廃止する実効性の高い条約合意を求めています」

(注1)国際環境法センター(CIEL) プレスリリース(2024年11月27日発表)

(注2)国際環境法センター(CIEL) プレスリリース(2024年4月25日発表)

(注3)Scientists’ Coalition for an Effective Plastics Treaty

以上