国際環境NGOグリーンピースは10月20日、大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー(アピタ)、ダイエー、西友)を対象にした抜き打ちの魚介類商品の放射能汚染調査から放射性物質(セシウム134、137)を検出したことで、消費者庁、農林水産省、厚生労働省、日本チェーンストア協会に、魚介類商品におけるベクレル値と漁獲海域の表示およびスクリーニング検査の強化を求める要請書(注1、2)を提出しました。

今回の抜き打ち調査は、対象企業に実施を事前に通達したうえで9月4日から10月7日に実施しました。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、福島県、宮城県内の各社店舗で、東日本太平洋側と産地表示のある魚介類商品を中心に購入したサンプルを「グリーンピース放射能測定室 シルベク」(10月20日開設)(注3)でスクリーニング検査後、第三者機関である日本食品エコロジー研究所でゲルマニウム半導体検出器を用いて検査(注4)したものです。サンプル数は各社12サンプル、計60サンプルです。

調査結果は大手スーパー5 社全社で、魚介類商品(60サンプル中34サンプル)から放射性物質(セシウム134、137)を検出し、日本政府が定める暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を下回っているものの、一般に購入できる魚介類商品に放射能汚染がある事実が明らかになりました。(注5)グリーンピースは大手スーパーマーケット5社に対し8月から対話を続けており、魚介類における自主放射能検査の実施と結果の公表、暫定規制値にとらわれない独自の流通基準の策定、そして水揚げ港ではなく漁獲海域表示の徹底を要請しています。

グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「特に幼児の親や妊婦などにとっては、数十ベクレルが大きな意味を持つ。魚介類商品の放射能汚染が広く流通網に広がっており、行政の動きが極めて遅い中、消費者は魚介類を選択購入し安心して消費するために、購入現場で商品の汚染度合いに関する情報を求めている」と話しました。「現在はイオン1社だけが魚介類における自主放射能検査の実施を公表しているが、他のスーパーも同業他社や行政の顔色ではなく、消費者と向き合った運営をすることが急務だ」と加えました。

注1)2011年10月20日に日本政府に提出した要請書

注2)2011年10月20日に日本チェーンストア協会に提出した要請書

注3)「グリーンピース放射能測定室 シルベク」詳細

注4) 日本食品エコロジー研究所の調査結果

注5)調査結果



お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン