ピープル社、塩ビおしゃぶり撤廃――グリーンピース、日本玩具協会のSTマーク基準改正を歓迎
日本玩具協会は同協会が発行するST(セーフティ・トイ=安全玩具)マークの基準に、おしゃぶりや歯がためなどの玩具にポリ塩化ビニル樹脂(塩ビ)を使用しないという基準を今年度から取り入れた。それを受けて、日本の主要な玩具メーカーの一つであり、玩具協会の自主規制にも関わらず、塩ビおしゃぶりを製造販売し続けていたピープル株式会社(本社 東京都中央区)は同社の販売する3歳未満対象の口に入ることを目的としたおもちゃ(おしゃぶり等)の素材に塩ビの使用を止めたことを明らかにし、本日グリーンピース・ジャパンは大手玩具販売店にて、その脱塩ビ玩具の存在を確認した。これで事実上主要な玩具メーカーのおしゃぶりや歯がためから塩ビ素材のものがなくなったことになり、グリーンピース・ジャパンは、日本玩具協会の決断を歓迎する。
グリーンピースは、塩ビがその製造、廃棄の段階でダイオキシン等の残留性が高い有害物質の発生源になっており、またその使用段階では重金属類、可塑剤等の化学物質が溶出するなど、環境、健康への長期的な影響が懸念されることからその代替物質への切り替えを促す活動を続けてきた。国内では、1998年から、その塩ビが子供のおもちゃにも多く使用されており、乳幼児が口に入れるようなおもちゃからフタル酸エステル類、重金属類などの有害化学物質が溶け出している現状を広く日本に知らせ、その代替を求めるキャンペーンを続けてきた。
一般市民への塩ビに対する危機感が強まった結果、1999年末には日本玩具協会が3歳未満の口に入ることを目的としたおもちゃには塩ビを原料として使用しないことを各おもちゃメーカーに求める自主規制を発表し、それに合わせ各メーカーは特に乳幼児を対象としたおもちゃで脱塩ビ化を図ってきた。2002年の夏には、厚生労働省が食品衛生法のおもちゃに対する規格基準の改正を決定し、2003年の8月からは塩化ビニルのおもちゃに対する初めての規制が始まることになっている。
新しいおもちゃ 古いおもちゃ
新しいおもちゃの成分表示
古いおもちゃの成分表示
そのような背景の中、ピープル株式会社の販売するおしゃぶりには塩ビが使用され続けてきていたため、グリーンピース・ジャパンは同社のおもちゃを調査しビスフェノールAなどの有害物質が含まれる事を確認した(注1)。グリーンピース・ジャパンはこの状況を改善するため、一般市民が同社に直接はがきを送付しその代替を求めることができるキットを含んだパンフレットを作成したり、サイバーアクションやe-cardなどで直接消費者が同社へ意見を伝えられる場を提供したりしてきた。その結果、多くの消費者が、同社へ塩ビ素材の代替を求めた。今回の同社の決定は消費者の声が届けられた成果である。
グリーンピース・ジャパンによる5月2日のピープル社への問い合わせでは、管理部の澤田潤子部長が「日玩協(日本玩具協会)の新しいSTマーク改正にあわせて塩ビの使用は廃止した」と答えている。これは、1999年に自主規制を発表していた日本玩具協会が2002年夏の食品衛生法の規格基準改正時期にあわせて、その自主規制をSTマークの基準へ明確に組み込んだことを受けたもので、今年の春から新しいSTマークを取得したいおもちゃに関しては、この基準を満たさなければならないことになっている。最新のSTマークの基準書には、「(前略)3歳未満の子どもが用いるおしゃぶり、歯がためにはポリ塩化ビニルを含む合成樹脂を原材料としてはならない」と明記されている。
グリーンピース・ジャパンの有害物質問題担当の佐藤潤一は「これで、日本の主要玩具メーカーが現在販売するおしゃぶりや歯がためには塩ビを使用したものがなくなった。真剣にこの問題に取り組み、世界と比べても進んでいるといえる塩ビおもちゃ規制の実現に積極的に取組んで来た日本玩具協会、そして各おもちゃメーカーの決断を歓迎する。今後は、更に予防原則を推し進め今回の対象以外のおもちゃに使用されている塩ビも、こどもたちの未来を守るために段階的に安全な素材へと代替していくことをお願いしたい。」と述べた。
グリーンピース・ジャパンは今後も、環境への影響が大きい塩化ビニル製品の、安全な物質を使った製品への代替を促す活動を続けていく。
(注1)グリーンピースの行った調査結果
詳しくはグリーンピース・ジャパン有害物質問題Webサイトまたは、安全なおもちゃサイトをご覧下さい。
お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
有害物質問題担当 佐藤潤一
広報担当 城川桂子
グリーンピースは、塩ビがその製造、廃棄の段階でダイオキシン等の残留性が高い有害物質の発生源になっており、またその使用段階では重金属類、可塑剤等の化学物質が溶出するなど、環境、健康への長期的な影響が懸念されることからその代替物質への切り替えを促す活動を続けてきた。国内では、1998年から、その塩ビが子供のおもちゃにも多く使用されており、乳幼児が口に入れるようなおもちゃからフタル酸エステル類、重金属類などの有害化学物質が溶け出している現状を広く日本に知らせ、その代替を求めるキャンペーンを続けてきた。
一般市民への塩ビに対する危機感が強まった結果、1999年末には日本玩具協会が3歳未満の口に入ることを目的としたおもちゃには塩ビを原料として使用しないことを各おもちゃメーカーに求める自主規制を発表し、それに合わせ各メーカーは特に乳幼児を対象としたおもちゃで脱塩ビ化を図ってきた。2002年の夏には、厚生労働省が食品衛生法のおもちゃに対する規格基準の改正を決定し、2003年の8月からは塩化ビニルのおもちゃに対する初めての規制が始まることになっている。
新しいおもちゃ 古いおもちゃ
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そのような背景の中、ピープル株式会社の販売するおしゃぶりには塩ビが使用され続けてきていたため、グリーンピース・ジャパンは同社のおもちゃを調査しビスフェノールAなどの有害物質が含まれる事を確認した(注1)。グリーンピース・ジャパンはこの状況を改善するため、一般市民が同社に直接はがきを送付しその代替を求めることができるキットを含んだパンフレットを作成したり、サイバーアクションやe-cardなどで直接消費者が同社へ意見を伝えられる場を提供したりしてきた。その結果、多くの消費者が、同社へ塩ビ素材の代替を求めた。今回の同社の決定は消費者の声が届けられた成果である。
グリーンピース・ジャパンによる5月2日のピープル社への問い合わせでは、管理部の澤田潤子部長が「日玩協(日本玩具協会)の新しいSTマーク改正にあわせて塩ビの使用は廃止した」と答えている。これは、1999年に自主規制を発表していた日本玩具協会が2002年夏の食品衛生法の規格基準改正時期にあわせて、その自主規制をSTマークの基準へ明確に組み込んだことを受けたもので、今年の春から新しいSTマークを取得したいおもちゃに関しては、この基準を満たさなければならないことになっている。最新のSTマークの基準書には、「(前略)3歳未満の子どもが用いるおしゃぶり、歯がためにはポリ塩化ビニルを含む合成樹脂を原材料としてはならない」と明記されている。
グリーンピース・ジャパンの有害物質問題担当の佐藤潤一は「これで、日本の主要玩具メーカーが現在販売するおしゃぶりや歯がためには塩ビを使用したものがなくなった。真剣にこの問題に取り組み、世界と比べても進んでいるといえる塩ビおもちゃ規制の実現に積極的に取組んで来た日本玩具協会、そして各おもちゃメーカーの決断を歓迎する。今後は、更に予防原則を推し進め今回の対象以外のおもちゃに使用されている塩ビも、こどもたちの未来を守るために段階的に安全な素材へと代替していくことをお願いしたい。」と述べた。
グリーンピース・ジャパンは今後も、環境への影響が大きい塩化ビニル製品の、安全な物質を使った製品への代替を促す活動を続けていく。
(注1)グリーンピースの行った調査結果
詳しくはグリーンピース・ジャパン有害物質問題Webサイトまたは、安全なおもちゃサイトをご覧下さい。
お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
有害物質問題担当 佐藤潤一
広報担当 城川桂子