本日11月2日から、COP4(気候変動枠組み条約第4回締約国会議)が
ブエノスアイレスで始まった。以下は、
現地から発信されたプレスリリースのポイントである。


本日から開催される気候変動枠組み条約第4回会議(COP4)で、グリーンピース・インターナショナルの再生可能エネルギーの担当をしているCorin Millais(コリン・ミレ)は、
「問題は政府が、気候変動の解決策として再生可能エネルギーを支援するか、あるいは化石燃料と原子力産業を保護するために、口先だけの気候保護を言い続けるか、どちらかの選択をするかにかかっている。危険な気候変動を避けるために、現在確認されている化石燃料埋蔵量の4分の1しか、もはや人類には許されていない」と主張している。


COP4で焦点とされているのは、二酸化炭素の吸収源とされる森林の扱い、先進国間の排出量取り引き、クリーン開発メカニズム(CDM)などである。


CDMは、エネルギー効率を向上させるための資金と技術を途上国に移転するもので、結果として温室効果ガス削減のためのコストの効率向上にもつながる、とされている。
しかしながら、一方でCDMは、環境汚染のあたらしい道具にもなり得る。真の意味で環境にやさしい再生可能エネルギー技術のための内容の充実した支援を、発展途上国の要求に答えるためにすべきである。
しかし、CDMは途上国に原発や化石燃料の発電所を進出させるという、産業界にとってのオプションも提供して、メカニズムを台無しにする可能性もある。たとえば最悪のケースでは米国内で二酸化炭素の排出を増やすために、クレジットを稼ぐために、国内では受け入れられない火力発電所や原子力発電所を海外に建設する、というようなことが起きる可能性がある。

CDMは、消え行く産業界の輸出のための補助金としてではなく、気候変動の問題解決のための手段としてデザインされるべきである。風力やソーラーのような再生可能エネルギーへの支援、そして原子力発電や「クリーンコール発電所」というような誤解されるような名前のものへは、一切支払われるべきではない、とグリーンピースは要求している。


炭素クレジットを入手するために植林するという考え方も、問題である。現在の規制の下では、たとえば貴重な原生林を切り倒して、代わりに成長の早いユーカリの木を植林しようというインセンティブを各国に生む可能性がある。
「議定書に植林を含むための科学的な基礎はない。そして “吸収源” という手段は、二酸化炭素の排出が増加しているという主要な問題を解決に導くわけではない」とCOP4に出席しているグリーンピース代表団長のビル・ヘアは述べた。
「家が火事になっている最中に庭に井戸を掘る人はいないだろう」
ビル・ヘアは、気候変動政府間パネル(IPCC)による的確な科学評価がなされる前に尚早な森林プロジェクトを含むのに、反対している。


また、会議は各国内でどれだけ二酸化炭素を削減すべきかを議論するだろう。現在のところ、米国が提案しているような「自由参加」の取り引きの計画は、実際にさらなる二酸化炭素の排出増加につながる可能性がある。
このような規制のない自由競争は、いくつかの国々に現実の排出量と予想される排出量の差を実際のお金にすりかえてしまうために、排出目標をつり上げるようなインセンティブを生む。
もしロシアが削減量を買いたくて仕方のない米国と、浮いた分の排出量を多量に取り引きするなら、ロシアだけは、数十億ドルのたなぼた利益を見込んでいるかもしれない。