国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社と第3回目となるオンライン対話を行い、返却式リユースカップの仕組み全国導入を求めるグリーンピースの署名活動に寄せられた2400人あまりの皆さんのコメントを、古着ショップDEPTの経営者で気候危機への活動で注目されるeriさんとともに届けました(注1)。スターバックスは、「一人ひとりの大事な思いがこもったご意見。皆さんと一緒につながって、社会を動かすことをやっていけたらと思う」と語りました。

【署名賛同者より寄せられたコメント(抜粋)】

  • 大好きなコーヒーを罪悪感なくたのしみたい。そのための仕組みづくりを!!
  • 環境面でも最先端を行くかっこいいスタバでいてほしい!
  • 便利で映えるものより、今私が立っているこの地球を慈しめる製品が欲しいです。

株式会社デプトカンパニー代表、気候アクティビスト eriさん

「今日はスターバックスに皆さんの声を代表して届けてきました。スターバックスが変わったら、世の中が大きく動くと思います。地球資源を使い捨てない社会に向けて、日本のスターバックスにも世界の先進事例に並ぶような高い目標を立ててほしいです。私たち市民ひとりひとりの環境問題へのアクションももちろん重要ですが、同時に進む方向を示してくれるリーダーが必要です。『持ち歩く』というカルチャーを世界に広めたスターバックスが『どう持ち歩くか』という新しいカルチャーを私たちに広め、次の社会のあり方へ導いてくれることを期待します!」

プロフィール:eri(えり)1983年NY生まれ、東京育ち。古着屋DEPTを通じて可能な限り環境負荷のかからないライフスタイルや企業としてのあり方をSNSを通し発信し、気候変動・繊維産業の問題を主軸にアクションを行っている。近年ではNY在住の文筆家・佐久間裕美子と社会問題を主題としたPodcast「もしもし世界」の配信を始めるなど、ファッションの枠を超え活動している(写真:©Kisshomaru Shimamura)

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大舘弘昌
「プラスチックでなく紙や他の素材であれば、資源を使い捨ててもいいというような誤った認識が社会に広がってしまっていると感じます。スターバックス コーヒー ジャパンについても、紙・プラスチックを含む使い捨てカップ全体に対する目標が発表されない限りは、問題解決への道筋を示していない状況が続きます。しかし、例えば韓国のスターバックスと同様、2025年までの国内での使い捨てカップ全廃といった野心的な定量目標を打ち出すことができれば、賛同するステークホルダーとのつながり、新しいアイデア、協働が生まれることで、数年前には不可能だった取り組みが可能になります。同社には、定量目標を掲げた上で、プラスチックごみ問題の真の解決策であるリユースシステムの普及を日本でリードしてほしいと思います。スターバックスが動くことで、市民社会、企業、自治体など他のセクターに、大きな変化を与えることができます」


【これまでの経緯】
プラスチックごみ問題への対応として、今年2月より国内全店舗で冷たい飲料のカップをプラスチック製から紙製に変更すると発表したスターバックス コーヒー ジャパン株式会社に対し、グリーンピースは、使い捨てカップではなく、より本質的な解決策であるリユース(再使用)の仕組みの早期導入を求める署名を実施し、4月には要望書を提出しました(注2,3)。今月21日、同社は、繰り返し使えるカップのシェアリングプログラム(リユースの仕組み)の実証実験を、丸の内エリアの店舗で2021年秋よりスタートすることを発表しました(注4)。グリーンピースはこの動きを歓迎するとともに、2025年までに使い捨てカップから脱却する野心的な定量目標を2021年内に発表することを求めています。

【返却式リユースカップを巡る世界のスターバックスの動き】
スターバックスの店内利用のマグやマイタンブラー利用を合わせたリユース率は世界全体でわずか3%と、ほとんどが使い捨てカップに依存している状況です(注5)。そんな中、世界各国のスターバックスでは、返却式リユースカップ導入の動きが広がっています。4月には韓国で、繰り返し利用可能なカップの導入等により2025年までの使い捨てカップ全廃という野心的な目標が発表されました(注6)。また、今月3日には、ヨーロッパ、中東・アフリカ地域でも、2025年までの段階的なリユースの仕組み導入が発表されました(注7)。スターバックスは、2030年までに廃棄物を50%削減するグローバル目標を掲げています。

(注1)署名「スターバックスさん、プラスチックでも紙でもない、新しいリユースの仕組みを待っています! ※現在6600人以上が賛同
(注2)スターバックス紙カップ切替のニュース
(注3)グリーンピースからスターバックスへの要望書(4月15日)
(注4)スターバックスのプレスリリース(6月21日)
(注5)STARBUCKS 2019 GLOBAL SOCIAL IMPACT REPORT
(注6)スターバックスが韓国で使い捨てカップ廃止へ、日本でもリユースの仕組み導入に期待(グリーンピースプレスリリース)
(注7)スターバックスが世界3,840店舗で脱使い捨ての仕組み導入を発表!日本は?(グリーンピースブログ)