プラ新法施行1年、プラごみ削減効果は限定的ーー「使い捨て」構造脱却へ真の議論を
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、プラスチック製品の設計から廃棄まで各段階で資源循環等の取組を促進する「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(以下、プラ新法)」が4月1日に施行(注1)から1年を迎えるのにあたり、以下の声明を発表しました。
グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大館弘昌
「昨年4月1日に施行されたプラ新法では、プラスチックごみの約半分を占めるプラスチック容器包装は有償化などによる排出抑制の対象外です。そのため、最も減らすべきペットボトルやドリンクカップといったテイクアウト容器などの使い捨て製品の大幅削減には繋がっておらず、効果としては非常に限定的と言わざるを得ません。企業もプラスチックの軽量化や代替素材への切り替え、リサイクルといった対策に終始しており、資源を使い捨てる仕組みそのものの変革には繋がっていません。
現在、欧州では使い捨て容器包装の大幅削減に向け、リユース推進も含めた法案の審議が始まっています(注2)。また世界各国の間でも、2025年までにプラスチックを生産段階から規制することも目指した国際的な条約の制定に向けた交渉が進んでおり(注3)、プラスチック汚染を解決するために動き出しています。
日本においても法案施行から1年を振り返り、プラ問題の本丸である使い捨て容器包装をいかに大幅削減できるか、改めて議論すべきです。具体的には、必要のないプラスチック容器包装のリデュース(削減)、そして使い捨て容器包装に依存しない社会を作るために、リユースの推進について政策レベルで取り組み、企業のビジネスモデルの変革に繋げることが求められます」
(注1)環境省「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(2022年4月1日施行)
(注2)欧州委員会「Putting an end to wasteful packaging, boosting reuse and recycling」(2022年11月20日発表)
(注3)環境省「第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)の結果について」(2022年3月3日発表)