国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日6月10日、投開票が行われた新潟県知事選挙で自民党の支持を受けた花角英世知事が誕生したことを受けて、以下の声明を発表しました。

「柏崎刈羽原発1〜7機を保有し、そのうち6、7号機の再稼働を計画している東京電力の経営は危機に瀕したままでしょう。再稼働への道のりは知事が変わっても平坦なものにはなりません。花角知事は、米山前知事の原発に関する検証を引き継ぎ、再稼働に関しては検証を終えてからと明言しています。新潟県の人々が原発を望んでいないことは明らかです。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働のために莫大な費用を投じるのことをやめて、廃炉計画に着手する必要があります。電力会社として生き残る道は、自然エネルギーへの転換しかありません」

【参考】

  • 東京電力の柏崎刈羽原発6、7号機は、2017年12月に原子力規制委員会の審査に合格しましたが、再稼働には新潟県知事の同意が必要です。同社は2月、柏崎刈羽原発6、7号機の重大事故時に原子炉格納容器内の圧力を逃がして破壊を防ぐための排気設備(フィルター付きベント)が、地震で地盤に液状化が起きた際に基礎部分が損傷する恐れがあることを明らかにしました。新潟県民も原子力規制委員会にもこうした事実は審査中は知らされていませんでした。
    新潟日報:地震で液状化の場合 原発損傷の恐れ 柏崎刈羽 東電、地元に説明せず
  • 東京電力が2014年に新・総合特別事業計画(第2次事業計画)を日本政府に提出した際、同社は2014年半ばから柏崎刈羽原発を順次再稼働させる見通しでした。しかし、それは技術的にも政治的にも不可能でした。
    『新・総合特別事業計画』(原子力損害賠償・廃炉等支援機構、東京電力ホールディングス株式会社)http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170131005/20170131005-1.pdf
  • 柏崎刈羽原発6、7号機は6年以上、運転を停止しています。これだけ長期に止まっている原発の再稼働は、配管の腐食など、より大きなリスクが伴います。