「えすぺりソーラー発電所」設立~自然エネルギー100%を福島から! ~
グリーンピース×福島県三春町のコミュニティ共同プロジェクト初の発電所、クラウドファンディング253人の協力で市民太陽光発電所
エスペリソーラー発電所設立パーティーにて
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは 1月24日、福島県三春町のコミュニティとの自然エネルギー普及プロジェクト「ソラライズふくしま」の一環として、市民太陽光発電所の「えすぺりソーラー発電所」(福島県田村郡三春町)を設立したことを発表しました。太陽光パネル設置費用の一部は全国からのクラウドファンディングで集められました。今後、コミュニティショップ「えすぺり」は発電所として稼働するとともに、地域に自然エネルギーを広める拠点としても活動する予定です。
「えすぺりソーラー発電所」は、グリーンピースと福島県のコミュニティが共同設立する初の発電所です。太陽光発電システムの発電容量は9.76kW、年間発電量は10433kWhを見込んでいます。40枚の太陽光パネルは1月6日と7日に設置され、1月9日から発電を開始し、余剰分は電力会社に売電しています。設置費用の一部は、コミュニティ参加型の市民発電所設立に賛同する全国の一般の人々、253人からのクラウドファンディングを用いて募り、120万円の目標額を上回る1,480,267円が2015年10月23日から11月24日までの約1カ月で集まりました。「えすぺり」は今後、ワークショップなどを通じて地域に自然エネルギーを広める拠点である「ソーラーハブ」として、自然エネルギー100%の社会の実現を目指して活動する予定です。
「えすぺり」を運営する大河原伸さん・多津子さん夫妻は、「原発事故で誰もが影響を受けた福島では、原発からの電気を使わず、自然エネルギーへの移行をめざすのは当然です。このような市民の取り組みで自然エネルギーが環境にもお財布にもいいと示せば、自然エネルギー100%の未来は可能だと信じています」と語りました。グリーンピース・ジャパン エネルギー担当の柏木愛は、「1カ月という短期間で253人がクラウドファンディングに参加したことは、福島第一原発事故後の福島を気にかけている人、自然エネルギーの未来に期待する人が多いことを物語っています。福島県は2040年までに自然エネルギー100%となることを宣言しています。行政だけではなく、市民からも自然エネルギー100%を実現できるようコミュニティと共に歩んでいきたい」と話しました。
【大河原伸さん・多津子さん夫妻プロフィール】30年前から福島県田村市で有機農業を始める。東京電力福島第一原発事故後は、自分たちの農産物・加工品の放射線量を測定し、数値を公表して販売する「壱から屋」を起業。野菜やパンを売る直売所「えすぺり」も2013年に立ち上げる。農閑期には、子ども向けのオリジナル人形劇を上演するなど、活動は幅広い。二男三女を持つ。
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