第5回目放射線調査
第5回目調査
© Noriko Hayashi / Greenpeace
福島第一原子力発電所から飛散している、放射性物質と放射線量の実態調査を行うために結成した放射線調査チームが、2011年8月6日、17日、18日、19日に行った、第5回目調査報告です。 調査の結果グリーンピースは、「日本政府は福島の人々に『避難の権利』を認め、希望者には避難費用の補償、住宅の提供などの公的支援をするべき。」「特に子どもは、除染が完了し、安全が確認されるまで、疎開、もしくは避難させることを求める。」「政府は、子どもの被ばくを学校の内外合わせてトータルで責任を持つべき。」として、政府に要請書を提出しました。
調査の目的
- 除染後の学校や保育施設の放射線量の測定
- 公正で透明性の高い情報と分析を提供することで、市民、特に今回は子どもの健康や周辺環境を守る
- 子どもの生活の場である、学校や保育施設の放射線量の実態を知る
- 住民や学校が、除染、避難や、それに関わる費用の補償を求める際の調査資料提供
調査の日程
2011年8月6日、17日、18日、19日
調査場所・範囲
© Noriko Hayashi / Greenpeace
福島県福島市内の保育施設2カ所、高等学校1カ所。福島市内64カ所の大気中の放射線量
- 保育施設 こどものいえ そらまめ
(2011年5月に職員と保護者・ボランティアにより除染。6月に業者による除染) - 保育施設 南福島保育園
(2011年6月に保護者・ボランティアにより除染。8月に業者による除染) - 高等学校(名称非公開)
調査対象と内容
© Noriko Hayashi / Greenpeace
- 福島市内、保育施設、高等学校の大気中の放射線の量
- 除染を行った保育施設の放射線量の変化測定
調査結果
© Noriko Hayashi / Greenpeace
- 高等学校からでは、除染後にもかかわらず、一般道に通じる場所で1時間当たり1.5マイクロシーベルト(地上1メート ル)を計測。同じく除染後の保 育施設でも、1時間当たり0.82マイクロシーベルトを計測した。
- 福島市内でも、依然として毎時1マイクロシーベルト以上が測定されているので、日本政府は福島の人々に『避難の権利』を認め、希望者には避難費用の補償、住宅の提供などの公的支援をするべき。
特に子どもは、除染が完了し、安全が確認されるまで、疎開、もしくは避難させることを求める。 - 政府が2011年8月26日に発表した、子どもが学校で受ける線量の新目安年間1ミ リシーベルト以下、校庭の空間線量率は毎時1マイクロシーベルト未満は、放射線管理区域での基準である毎時0.6マイクロシーベルトを上回る高い値の上に、毎時1マイクロシーベルトを上回っても学校内での屋外活動を制限する必要はない、つまり校庭を使用してもよいとしているなのは問題がある。
また、線量を年間1ミリシーベルト以内に抑えなければならないのは、学校内のみで、政府は、子どもの被ばくを学校の内外合わせてトータルで責任を持つべき。 - 2011年8月29日提出要請書
「福島の子どもたちを放射能から守るめに除染が終わるまで子どもを避難させ、福島の人々に『避難の権利を』」 >> - 調査結果表 >>
- 2011年8月29日記者会見時プレゼンテーション資料 >>
その他
© Noriko Hayashi / Greenpeace
ウクライナ出身でグリーンピース・エクセター研究所 主任研究員イリーナ・ラブンスカを囲んで、2011年8月20日「チェルノブイリから学ぶ」を福島市内で開催。
事故から25年がたった、2011年3月にチェルノブイリ周辺の食べ物調査を行った結果、今でもウクライナの基準値以上の汚染が見られたことを報告。
プレゼンテーション資料「チェルノブイリ事故から25年 いまだに懸念される食べ物への影響」 >>
調査で使用した基準の放射線測定機材
ガンマ線スペクトロメーター(Georadis社製RT-30)
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