海を汚すな、と東電会長に言いました。
6月26日、東京電力ホールディングス株式会社の株主総会にいってきました*。
グリーンピースは、東電の福島原発にたまり続ける汚染水を海に放出せず、長期保管をし、その間に放射性核種回収技術を開発することを経営陣に提案しました。
東電の福島原発の敷地内には、放射能汚染水がたまり続け、多核種除去設備(ALPS)で処理した水など合計で100万トンを超えています。
ALPS処理水は、トリチウムは取り除いてないことから「トリチウム水」ともいいますが、2018年9月には、このトリチウム水に基準値以上の放射性物質が含まれていることが明らかになりました。
トリチウム水の処理については、海洋放出も選択肢となっています。しかし、海洋放出は、海洋環境の汚染、漁業者の生計への打撃に加え、企業責任や社会的評価の観点から株主価値の損失にもつながる問題です。
株主総会で、汚染水の陸上での長期保管と、その間に放射性物質回収技術の開発をすることを提案しました。
放射能汚染水について詳しくはこちら
東電会長に、汚染水を海に流さず、保管をと提案


東電の回答は「反対」
東電経営陣は、この提案に対して「反対」。 「国の委員会から示される方向性を踏まえて、関係者のみなさんからご意見を伺うなど丁寧なプロセスを得たうえで適切に対応する」と。 国の委員会が、汚染水の陸上保管と放射性物質の回収という方向性を出した場合、東電は当然その技術開発をおこなうことになります。「反対」ではなく「検討する」余地があってしかるべきではないでしょうか。 また、関係者は誰で、これからどのようにご意見を伺うのか。 すでに福島県漁業組合は、汚染水を太平洋に放出することについては反対をされています。海を汚し、多大な被害を生み出した東京電力にできることは、せめて意図的に海に放射能汚染水を放出しないことです。 この点について質問するために挙手しましたが、残念ながら指名されることはなく、終わってしまいました。 事前に汚染水の海洋放出のリスクや沿岸地域の人々の権利侵害となることを認識しているかどうかを質問していましたが、これらに回答することもありませんでした。