続々進む「脱・使い捨て」!台湾のファミリーマートで返却式リユースカップシステムがはじまります
この投稿を読むとわかること
3月31日、台湾のファミリーマートが、台湾にある店舗の10%にあたる400店舗で、革新的な返却式リユースカップのシステムを導入すると発表しました! 台湾で2番目に大きなコンビニエンスストアチェーンであるファミリーマートが、アジア初の、大規模なリユースカップシステムを開始します。今回の発表は、グリーンピースによる3年にわたる台湾でのキャンペーンを受けたものです。 |
返却式リユースカップシステムとは、コーヒーなどのドリンクを購入する際に、返却し、洗浄して繰り返し使えるリユースカップを借りられるという、とてもシンプルなシステムで、プラスチックや紙カップの使い捨てを減らすのに非常に効果的な方法です。
台湾のファミリーマートは、このような返却式リユースカップを無料でかしだすシステムを導入します。発表されたように400店舗で返却式リユースカップのシステムを導入すると、利用する人が1%いただけでも、年間10万個の使い捨てカップを節約できます。もし利用者の間でこの仕組みがより広まり、10%の人が利用するようになれば、100万個のカップを節約できることになります!
1つの企業の行動が、業界全体を変える
世界中をむしばむプラスチック汚染の危機は、1つのコンビニによる返却式リユースカップシステムの導入だけで解決できるものではありません。
しかし、東アジアで最も有名な小売業者の一つであるファミリーマートが、台湾でこのような脱使い捨てのシステムを導入することは、「使い捨てずに繰り返し使う」という選択を日常に根付かせることになるでしょう。
そして、他のコンビニやスーパーなどの小売業界や、スターバックスのような大手カフェチェーンに対しても、企業が脱使い捨てのためにできる具体策の例となり、それを大規模に展開できるという実証にもなります。
これは、219,920人のサポーターによる署名に後押しされた、台湾のグリーンピースによる働きかけを受けて実現しました。私たちが力を合わせて声を上げれば、そのインパクトは強力なものになる、という証明にもなりました!
ファミリーマートは、グリーンピースや自治体と共同で、返却式の弁当箱やコーヒーカップなどのプラスチック削減のための革新的な試みを行ってきました。いずれの取り組みも、利用者から圧倒的な支持を得て、ファミリーマートはプラスチック削減策の規模を拡大することに自信を持つようになっていったのです。
台湾のグリーンピースで、プラスチックプロジェクトを率いてきたリン・チュン・ヨン(Ling Chun Yeung)は、こう話します。
「東アジアにはコンビニがたくさんあり、私たちの文化の一部とさえ言えます。私たちは、プラスチック危機を止めるためには、小売業者が重要な役割をになっていると認識しています。大手ブランドが脱使い捨ての行動を起こせば、台湾だけでなく、アジア諸国の企業の模範となることができます」
企業を動かした、調査・対話・トライアルプロジェクト
台湾のプラスチックチームは、2019年に小売業を対象にしたキャンペーンをスタートし、翌年からはコンビニに注力するようになりました。アンケートや調査を実施し、主要ブランドのプラスチック汚染への影響について、2つのランキングレポートを発表しました。調査に基づいて、各社がどれくらい使い捨てプラスチックを排出しているのかはっきりと把握することで、企業に対して、脱使い捨てへ具体的なアクションをとるように働きかけることができました。
新型コロナウイルスの蔓延により、多くの企業が使い捨てプラスチックを多く使うようになりましたが、グリーンピースは、非接触型の購入方法を提唱し、公衆衛生の専門家とリユースの安全性について共同声明を発表し、オンラインフォーラムを開催してプラスチック削減のための実用的な解決策を議論してきました。
2021年9月には、台中でレンタルカップサービス業者、コーヒーショップ、ファミリーマート、自治体関係者を巻き込んだ「プラスチックフリー・アライアンス」という返却式リユースカッププロジェクトのトライアルを実施しました。このトライアルが、ファミリーマートが、400店舗で返却式リユースカップを導入する道を切り開くことになったのです。
報告書の発行や企業に向けたメッセージの発信に加えて、プラスチック危機の解決策であるリデュース・リユースについて企業の担当者と対話を重ね、一緒に取り組みを行ってきたことが、企業から行動を引き出す成果につながりました。
東アジア全体で、プラスチック汚染を止めるために
グリーンピースは、2025年までに全世界の使い捨てプラスチック使用量を半減させることを目標として、東アジアでは、東京、香港、北京、台北、ソウルのそれぞれのプラスチックキャンペーンチームが、プラスチック削減のためのキャンペーンを展開しています。
各地域のチームが、それぞれの地域にあった活動を展開し、成果を上げています。
韓国では、最大のスーパーマーケット・チェーンであるロッテマートが、2025年までに使い捨てプラスチックの使用量を50%削減することを約束しました。香港では、KFCやマクドナルドなどの6つのファーストフードチェーンが、使い捨てプラスチック削減のための新しい施策を開始し、地元のスーパーマーケットチェーンであるパークンショップも、プラスチックフリーの施策を拡大しました。
各地のチームは、調査活動や報告書の作成、企業や政府へ働きかけるロビー活動について、地域間でリソースや経験を共有しながら、同じゴールに向かって取り組んでいます。地域規模でプラスチック汚染に取り組むことで、相乗効果が生まれています。
大企業が相手でも、私たちの声で変化を起こせる
東アジア全体で、この1年間、使い捨てプラスチックの削減について、グリーンピースにアドバイスや協力を求めて声をかけてくれる企業が増えてきています。
脱プラスチックの動きが加速する今、紙やバイオプラスチックなどの他の資源への代替えやリサイクルなどの最終手段に頼るのではなく、そもそも出てしまうごみを減らし、繰り返し使うリユースの仕組みを定着させるために、グリーンピースは地域で協力しながら、キャンペーンを進めていきます。
消費者として私たちが声を上げ続ければ、大きなブランドでも耳を傾けてくれます。日本では、スターバックスに、リユースカップの取り組みを全国で展開し、脱使い捨ての業界リーダーとなってもらえるよう働きかけを行っています。ぜひ署名して、一緒に声を届けてください!