プラスチック若者会議
プラスチック若者会議
4日間にわたる「プラスチック若者会議」は無事に終了しました。
本イベントには、46名にお申込みいただきました。
たくさんのご参加ありがとうございました!
ABOUT
プラスチック若者会議について
近年、環境課題におけるプラスチック汚染の影響は年を追うごとに加速しています。プラスチックは、環境破壊に繋がるだけではなく、その生産過程と劣化の過程において、多くの温室効果ガスを排出し、気候変動の大きな要因にもなっています。
そうした課題を背景に、2022年の国連環境総会において、プラスチック汚染をなくすための法的拘束力のある「国際プラスチック条約」を2025年までに締結することが各国政府間で合意され、現在、交渉は終盤に差し掛かっています。
野心的で有効性の高い国際プラスチック条約の策定を目指すためには、若者の社会変革を牽引する力が不可欠です。
そこで私たちは今夏に、プラスチック問題に危機感を持つU30の若者で集い、日本政府や関係機関などに対してプラスチック汚染対策について若者の意見として提言する会議、「プラスチック若者会議」を開催します。
4日間を通して、専門家からのインプットやテーマ別のチームで議論を踏まえ、参加者全員で一つの提言書を作成します。
プラスチック汚染を終わらせる一歩に、あなたも参加しませんか?
提言のフロー
提言書
今回のプラスチック若者会議で決まった提言書の内容はこちらになります。
╲概要╱
【私たちの目指す社会像と提言の方向性】
1.プラ全体の生産量・使用量の削減
マイクロプラスチックによる我々人間を含む生態系への影響や、1.5度目標を達成するためのCO2排出量を考慮して、まずはプラ全体の生産量・使用量を減らす必要があると考える(リデュース)。その際に、現行商品について本当にプラスチックでないといけないのかを考えて、再利用(リユース)や詰め替え(リフィル)に置き換えることができないか検討する必要がある。
2.環境配慮型商品やシステムの推進
どうしても減らせないものについては、バイオプラやリサイクル素材を使用した商品に移行するべきと考える。また、その際、リサイクルができるバリューチェーンを含めて、商品設計をする必要がある。
3.世界共通ルールの作成
環境配慮型商品を普及させるために、法規制が必要である。環境配慮に取り組む個人や企業がメリットを受ける仕組みづくりを世界全体の共通認識として、条約内容の作成をする必要がある。
【テーマ別の提言】
「持続可能な⽣産と消費」
現在のプラ生産は、気候変動目標とも生物多様性目標とも整合的ではない。この持続可能ではない生産と消費をどう持続可能にするのか、1.5度目標と整合的なものはなにかについて議論した。
提言: ①総量削減(リデュース):温室効果ガス排出削減のために、リデュースを最優先に。 ②有害な化学物質の規制:使い捨てプラや健康被害のリスクがあるプラの禁止を。 ③環境流出や負荷の軽減:使い捨てから脱却しリユース・リサイクルの最大限導入を。 ④作る責任・使う責任:生産者から消費者まで責任が分配されるように、プラスチック容器包装税の導入を。 |
「リユース/エコデザイン」
脱プラ経済に向けては、イノベーションが必要だ。どのようなデザイン・リユースを世界で進めていくべきか、そこで考慮すべきことはなにか、どうリユースを拡大できるかを議論した。
提言: ①環境負荷の少ない製品・仕組みの援助: 企業に対して、プラスチック排出規制や削減目標の設定を義務付けるべき。 2040年までのプラ削減目標の具体的な計画を策定し定期的に監視・報告すべき。 リユース商品を購入した際にポイントが貯まる仕組みを取り入れるべき。 ②環境に配慮した商品・取り組みの周知: 企業と協力し、若者に受け入れられるエコデザインやリユースシステムの構築を。 プラ削減の重要性を周知する教育プログラムやイベントを国主体で実施すべき。 |
「漁具廃棄物などゴーストギア対策」
海洋汚染の大きな原因となっているのは、漁業由来の海洋プラスチックごみ「ゴーストギア」である。現状への理解を踏まえ、どう対策を進めるべきか、議論した。
提言: ①状況把握の徹底: 拡大生産者責任のある漁具メーカーを含め、漁業者・漁協・地方自治体・国の役割や責任を明確化することを各国政府に義務づけるべき。 ②漁具管理の強化: 漁具マーキングやGPSの設置、定期的な棚卸、流出後の報告を漁業者全員に義務づけるべき。 ただし、プラスチック代替手段(自然素材)など流出後に環境負荷を与えない漁具に関しては除外するなど、どの漁具が管理強化であるかは検討の必要がある。 |
「公正な移⾏」
現在のプラスチックサプライチェーンでは、プラごみなどを拾って生計を立てているウェイスト・ピッカーを含め、多くの人が関わっている。誰一人取り残さない形で脱プラ移行とは何か、議論した。
提言: ①ウェイストピッカーへの包括的サポートの提供職業紹介など仕事の移行システムの構築を。 先進国は途上国に対して公正な労働や社会的基盤を保障するための支援を行うべき。 ②製造者への支援:福祉の充実、従業の再訓練とスキルの向上、研究開発による雇用促進。 ③適切な監督機関の設置:条約の監督機関(国際組織または第三者委員会)を設けるべき。 各国の進捗や寄せられた通報、人権上の課題などを定期的に調査し、報告するべき。 |
「ステークホルダー参画」
若者など、声を届けにくい人々が、地球全体の将来を決めるこの条約の締結や、実施、モニタリング、フォローアップに公正に参画できることが重要である。そのための原則や取り組みについて議論した。
提言: ①若者の参画の場を確保した、定常的な市民会議の場を確保すべき 各国で若者を含む市民会議を行うことを義務付け、プラスチック条約改正に対しての提言案や、すでに施行されている国内法に対する改正案の議論を行うべき。 開催は2、3年ごととし、参加者は、年代ごとの参加割合を約14%確保することを基本とする。若者に関しては、国連の定義に則り、15歳以上24歳以下を募集する。 ②中小企業への支援のために、脱プラに向けたヒアリングの場を確保すべき:脱プラ支援を前に進めていくための議論の場を確保することを国際的に取り決めるべき。 |
NEWS
2024/10/16更新
・【プラスチック若者会議の全日程が終了】2024/10/16
DAY4の9/1(日)は台風によりオンライン開催へ変更し、対面での発表会を10/6(日)に延期しました。全5日間、46名の参加者は専門家からのレクチャーをもとに自ら進んでリサーチや議論を重ね、最終的には12ページに及ぶ一つの提言書へまとめることができました。
イベント概要
プラスチック若者会議
背景
2022年に行われた国連環境総会(UNEA)にて、プラスチック汚染をなくすための法的拘束力のある国際条約を策定していくことが合意されました。2025年での締結を目指し、政府間交渉委員会(INC)を中心に交渉が行われています。野心的で有効性の高い国際プラスチック条約の策定を目指し、脱使い捨て社会の実現には、若者の社会変革を牽引する力と存在が不可欠です。世代間の衡平性と同時に、どのような社会を作り上げていきたいか、将来世代の声を反映することが必要です。2024年11月には、予定では最後のINCである「INC5」が韓国で開かれます。
企画概要
より多様かつ多くの若者の声を届けるために、30歳以下の若者有志が集まり、プラスチック汚染対策について一つの提言書を作成します。9月以降、提言書は日本政府や関連省庁、政党、経済団体などに提出予定です。
チームは5つのテーマごとに分かれ、全4日間を通して、専門家によるレクチャーを受けながら提言内容を議論します。
プラ問題について経験や知識がなくても、心配はいりません。野心的で若者の声を反映した「国際プラスチック条約」の制定に向けて、積極的に議論に参加できる若者を募集します。
開催目的
・プラ条約の締結に向けて、日本初の若者に開かれた議論の場を提供する
・日本を日本を含め各地で実践されている若者の意見集約の仕組み(若者会議)を活用し、多様な意見を反映した若者の声を出す
・成果を訴えることを通じて、世論喚起を行う
日程
DAY1:7/14(日)14時〜18時
第1回 現地
専門家によるレクチャーでプラ汚染・プラ条約の基本知識や各チームでのインプット会議の進め方を理解、参加者同士の交流
DAY2:7/28(日)14時〜18時
第2回 オンライン
専門家による追加レクチャー各チームで提言内容を議論
DAY3:8/17(土)14時〜18時
第3回 オンライン
各チームで提言内容を議論政策提言の元となる素案作成・中間発表
DAY4:9/1(日)15時〜18時
第4回 現地
最終発表
運営
運営 プラスチック若者会議事務局
主催 GPTY
特別協力 GP
協力 IVUSA, WWF
後援 日本若者協議会
主催団体「GPTY」について
「Global Plastic Treaty Youth Initiative (G.P.T.Y)」は、2023年、持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(JYPS)とグリーンピース・ジャパンが協力により、国際プラスチック条約の策定に向けて、世界・日本に、若者の声を届けるU30のユース・イニシアティブとして立ち上がりました。
現在、約15名のメンバーが、政策提言、啓発活動を行っています。
活動内容
- 日本政府や企業に対する効果的な政策提言
- 2024年は日本政府あての国際プラスチック条約の制定にユースの声を求める提言書の提出や、国際会議へのオブザーバー参加を進めています。
- より多くの若者や社会の人々に関心を持ってもらうためのSNS等を利用した啓発活動
- 地域で活躍する若者やNPO、自治体との連携を行う活動を含めた連携事業等
- 2023年は他団体主催のイベントへの参加や、シンポジウムへの登壇等を実施しました。
- 2024年は国際会議で繋がった若者団体等と意見交流を進めていく予定です。
ユースの共同声明
全国の大学生やユース6団体は4月10日に、4月23日からカナダ・オタワで開催される国際プラスチック条約の第4回政府間交渉委員会(以下、INC-4)の開催を前に、世界共通の法的拘束力のあるルールを同条約に盛り込むことを求める共同声明を、八木哲也環境副大臣および国定勇人環境大臣政務官に提出しました。今回の共同声明提出にあたっては、国際環境NGO グリーンピース・ジャパン(東京都港区)、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(同、以下 WWF ジャパン)も協力しました。
CONTACT
プラスチック若者会議への参加にあたっての質問・ご相談や、取材等のお問い合わせはこちら
→ https://forms.gle/snVDCeZuszUxR1dFA
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